翡翠の追憶 11 ……え? ……あ……れ? 何が起きたのか、その時は、すぐにわからなくて。 ただ……腕の中に、何かが飛び込んできて。 それで……我に返った。 「……え……と……」 「……ラキィ……やだよ。ラキィの風を、無駄な血で汚しちゃ嫌だ……」 消え入りそうな声が聞こえる。 なんだろ……すごく、聞き慣れた声なのに。 ……ものすごく、違和感がある……。 「ジェイ……ド?」 ……飛び込んできたのは、そこにいるのは確かにジェイドで。 ……胸の辺りに、微かに、紅い色が浮かんでいて。 「ぼく……が……?」 ぼくの放った風が、ジェイドを傷つけた事に気づいた瞬間、力が抜けた。 いや……力が抜けた理由は、それだけじゃないんだけど。 「……ジェイド?」 ……なんで? なんで、今まで、気づかなかったんだろ? いつも一緒にいたのに。 しょっちゅう、抱きつかれてたのに。 なんで? 「どうして……」 どうして、気づかなかったんだろ。 ジェイドの胸に柔らかな膨らみがある事に。 「……鈍感すぎなんだよ……ラキィは……」 戸惑うぼくに、ジェイドは微笑いながらこう言って……。 「……ごめん……」 ぼくは、それしか言えなくて、ただ、ジェイドを抱き締めるだけだった。 |
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