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   三 対決・二人の守護龍王 そのニ

 烈気たちの住む日向市は、最近こそ騒々しいものの、基本的には平和である。
その平和が土曜の深夜に公園で騒ぐ若者と言う形で表されるのはどうかという
説もあるものの、そんな一般論など気にしない彼らは、その日も公園に集って
わいわいと騒いでいた。
 そんな中、若者の一人が騒ぎの輪から離れた。目指すは公衆トイレだ。夜中
は結構冷えるのなんのと愚痴をこぼしつつ用をたし、仲間の所に戻ろうとした
彼は、異変に気づいてふと足を止めた。
「なんだ?」
 公園の中央に、鈍い銀色の光の球が浮かんでいる。困惑しつつ、それでも何
故か目を離せなくて様子を伺っていると、光球は収縮を繰り返した後人のよう
な姿を形作った。
 ……がしゃ……
 そこだけ妙に静かな公園に、金属音が響く。弱々しい街灯の光を銀色の髪が
弾いた。龍を模した青い鎧と、銀色の髪。その特徴的な姿から、それが何者で
あるかはすぐにわかった。
「え……あれって、ウワサの守護龍王?」
 呆然と呟いて、周囲を見回す。既に日付は変わって日曜日、守護龍王が現れ
てもある意味ではおかしくはない。しかし、守護龍王が単身姿を見せた事は今
まで一度もないのだ。
「どっかで、バケモノ出てんのかな……?」
 お気楽な呟きをもらしていると、公園に佇む者がゆっくりと腰の刀を抜いた。
何をするのか、興味に駆られて様子を伺っていると、それは刀を両手で持って
ゆっくりと頭上にかざし、一気に振り下ろした。
 ヴンっ!!
 大気が唸りを上げ、衝撃波が駆け抜ける。それは若者の横スレスレを走り抜
け、彼の背後にある物――公園を囲む垣根やその先の道路標識などをなぎ倒し、
道路を挟んだ反対側にあるビルの壁面を大きくえぐりながら夜空へと駆け上が
った。
「なっ……なんだ、どーしたんだよっ!?」
 突然の破壊音に気づいたのか、若者の仲間たちが集ってくる。現場に居合わ
せた若者は呆然と座り込みつつ、公園の中央を指さした。その先には、刀を片
手に不敵な笑みを浮かべた龍王が佇んでいる。彼は自分に集る困惑の視線に対
し、にやりと笑いつつ再び刀を頭上にかざした。
「っ!! に、逃げろおっ!!」
 次に起こり得る事態を察した若者が叫び、直後に振り下ろされた刀から衝撃
波が放たれる。それは絶妙に若者たちを避けつつ、再び周辺を破壊した。身の
危険を感じた若者たちは、我先にとその場から逃げて行く。
「ふ……くくく……」
 その様子に龍王は楽しげな笑みをもらし、直後に銀色の光の球になって消え
失せた。
 やや遅れて遠くからサイレンの音が響いてくるが、公園の中央には、重苦し
い沈黙が残されているようだった。

 日曜の朝。特撮物の放映が集中し、烈気にとっては最も楽しみが多い時間帯
である。大抵はタイマーセットしたテレビに起こされるのだが、この日は、携
帯の着メロによっていつもよりも早く起こされていた。
「あんだよ、っとに〜……」
 ぶつぶつと文句を言いつつ携帯を引っ張る。発信者表示は『大樹ケータイ』。
何だよもう、と文句を言いつつ、取りあえずはと受信する。
「何だよ、大……」
『烈気、テレビ見たかああああああっ!!』
 何だよ、大樹、朝っぱらから。こう言うよりも早く、大樹の絶叫が聞こえた。
烈気は思わず携帯を耳から離す。
「はあ? テレビぃ?」
『まだなら見ろっ! どこでもいーからっ!!』
「……っとに、何なんだよ、もう〜……」
 ぶつぶつ言いつつテレビのスイッチを入れると、亀裂の入ったビルの壁面が
映し出された。
「へ? 何だよ、コレ?」
 それが見慣れた駅前のビルと気づいた直後に、現場のリポーターが喋り始め
た。
『ご覧いただいていますのは、日向駅前にありますビルです。強い衝撃波を受
けたように、亀裂が入っています。えー、ビル近辺の道路にも……』
 ここでカメラが動き、深くえぐられたアスファルトを映した。
『はい、このように、亀裂が入っています。道路標識や駅前広場の垣根なども
吹き飛んでおりまして、酷い有様です』
「……」
 眠気がどこかに吹き飛んでいた。この破壊の跡が人の手によるものではない
事は、容易に察する事ができる。こんな事ができるのは自分か、でなければ敵
――混沌龍王の配下の者だけだ。そんな事を考えていると画面が切り替わり、
メインキャスターが淡々とこんな事を言った。
『なお、目撃者の証言として『ウワサの龍王が現れて吹き飛ばした』というも
のもあるらしく、人知を超えた現象に守護龍王との関連が疑われています……』
「んなわきゃねえだろっ!!」
 思わず、画面に向けて叫んでいた。自分にはこんな事をした覚えはないし、
する理由すらない。
『な、違うよな、絶対!! 正義の味方が、あんなコトするワケねーもんなっ!?』
 一瞬その存在を忘れていた携帯の向こうから、大樹が同意を求めてくる。
「あったり前だろ!!」
 即答。根拠があるのだから、当然だが。
『そうだよなっ!! んでさ、オレ、駅前行ってみようと思うんだけど、烈気、
どうする?』
 即答に大樹はややほっとしたようだった。その気持ちは烈気にもわかる。そ
して、自分で確かめたい、という気持ちも。
「オレも行く。駅前はヤバそーだから、いつものコンビニで落ち合おーぜ」
『りょーかい。んじゃ、メシ食ったらすぐに出るから』
「わった、オレもそーする。んじゃ、後で」
『ん、後で』
 短い言葉と共に通話は切れた。烈気も通話を切って、テレビの画面を睨むよ
うに見る。
「……ざっけんじゃねえぞ」
 低く呟く言葉には珍しく明らかな怒気が込められており、その様子に、ベッ
ドの下から顔を出したバクリューが不安げな声を上げつつ烈気を見つめた。

 大樹と、大樹に巻き込まれたと思われる洋平と落ち合い、やって来た駅前は
騒然としていた。破壊された周辺は立ち入りが規制されていたが、昔からこの
近辺を遊び場にしている三人組には、立ち入り規制のすり抜けなど容易い。
「うわ〜、ヒドいねぇ……」
 公園の中に入り込むなり、洋平が妙に感慨深く呟いた。大樹は呆然と周囲を
見回している。そして、烈気は。
(間違いない……あいつらの力だ)
 微かな力の残滓から、それを感じ取っていた。『敵』と見なす者、混沌龍王。
それに関わる者が持つ、独特とも言うべき力の波動が破壊の跡から感じられた。
「……ざけやがって……」
 かすれた呟きがもれる。無差別破壊だけでも許し難いと言うのに、それを自
分に成りすまして行った、というのが許せなかった。
「う〜ん、これって、レイの仕業じゃないよねぇ?」
 不意に洋平がこんな事を呟き、
「ったりめーだ!!」
「正義の味方がんなコトするかあっ!!」
 烈気と大樹の双方に突っ込まれた。
「大声出さないでよ、二人とも〜。バレるよ、ここにいるの?」
 慌てているのだろうが、どこかのんびりとした様子で、洋平は早口に言いつ
つぱたぱたと手を振る。
「だったら、ヘンなコト言うなよっ」
「ごめんってば〜。だってさ、なんか違うから〜」
 憮然として言う大樹に洋平はぼそぼそとこう返し、その言葉に烈気はきょと
んと瞬いた。
「違うって、何が?」
「技のスタイル……とか? レイって、自然っぽい技は多いけどさ、光の龍と
か。でも、こういう……衝撃波系の技って、なさそうだしね」
「……へ?」
 マニアックな着眼点に烈気は思わず呆けた声を上げ、大樹はそっか、と納得
したように手を打った。
「そういや、ソニック系の技ってなさそうだもんな、レイって」
「でしょ? だから、違うんじゃって、思うんだよね」
「完全近距離型だもんなー」
(オレは格ゲーのキャラかよっ!)
 楽しげに分析する二人の様子に、烈気は声に出さずにこう突っ込む。しかし、
根拠はともかく二人がレイを信用してくれている、という事実は、何よりも嬉
しかった。
(さんきゅー、大樹、洋平)
 こんな事を考えつつ、思わず笑みをもらしていると、
「こらこら君たちっ! ここは今、立ち入り禁止だぞ!!」
 こんな声が背後から聞こえてきた。ぎくり、としつつそちらを見ると、警察
官がこちらに走ってくるのが見える。騒いでいたため、見つかってしまったら
しい。
「やっば……!」
 誰からともなく三人組は走り出す。こんな時は以心伝心、やたらとチームワ
ークがいいのだ。
 ……きゅう……
 走っていると、ポケットのバクリューがか細い声を上げた。直後に頭上に力
を感じた烈気は、立ち止まって空を見上げる。
「烈気!?」
「ちょ、ちょっと、どしたのさー!」
 立ち止まった烈気に気づいた大気と洋平がぎょっとしたように振り返るが、
答える余裕はなかった。
(……来る!)
 そう認識した直後に、青空に銀色の光球が浮かび上がる。それは空中で形を
変え、人の姿を形作った。龍を模した鎧をまとったその姿に気づいた人々は、
不安げにざわめき始める。
「あ、あれって……」
「見た目は確かにレイだけど……?」
 大樹が呆然と、洋平が妙に冷静にこんな呟きをもらす。そして、烈気は五色
の組紐に手を伸ばしかけ、
(……ヤベ……)
 周囲に人目がある事を思い出して固まった。怒りに任せて正体を明かすなど、
ヒーローにあるまじき、という考えが行動を鈍らせる。
 そんな悠長に構えていられる場合でもないのだが。
「……き、君たち、何してるんだっ! 早く、避難しなさいっ!!」
 三人を追いかけてきた警察官がはっと我に返り、慌てたようにこう言った。
その上空で突然現れた者――冷たい笑みを浮かべた『レイ』がゆっくりと刀を
抜く。
「おまわりさん、あぶねっ!」
 抜かれた刀の上を電流のようなものが走り、それに気づいた烈気はとっさに
警察官を引っ張った。突然の事と、見た目以上に強い烈気の力に虚を突かれた
警察官はよろめくように前に進む。直後に、彼がそれまで居た所に衝撃波が走
った。
「わ、わわわっ!?」
 思わぬ事態に動揺したのか、警察官は上擦った声を上げる。その無事に安堵
しつつ大樹たちの方を振り返った烈気は、呆然と立ち尽くす大樹の様子に眉を
寄せた。どうやら大樹は、『レイ』が人を狙ったという事実に呆然としてしま
ったらしい。
「あに、ぼーとしてんだよ、大樹っ!」
(ニセモノに騙されてんじゃね〜よっ!!)
 言うに言えない気持ちを心の中で叫びつつ、烈気は大樹を揺さぶって我に返
らせる。
「レイが……」
「ばっかやろ、あんなんニセモノに決まってんだろ! それより、ここにいた
らヤバイって!!」
 きっぱりと言いきると、大樹は少し落ち着いたようだった。
「みんな〜、こっち、こっち〜!」
 いつの間にか避難路を確保していた洋平が手招きする。イムセンの襲撃の時
もそうだったが、洋平はこう言う時やたらと素早い。烈気と大樹、警察官は垣
根の低くなっている所を飛び超えてひとまず公園を出た。
「き、君たち! 誘導に従って、早く避難するんだよ!」
 公園を出た所でどうにか我に返ったらしく、警察官は上擦った声でこう言い
ながら走り去った。駅前はにわかに騒然となり、様々なサイレンの音が聞こえ
てくる。
「ど、どうしようか?」
 洋平が周囲を見回しながら呟く。
「どうしようっつっても……」
 同じように周囲を見回しつつ烈気がぼやいた直後に、公園に現れた『レイ』
が再び衝撃波を放った。衝撃波はアスファルトを裂き、ビルの壁面を砕きなが
ら空へと駆け上がる。
(ちっきしょお……好き放題やりやがって!)
 苛立ちを感じつつ空に浮かぶ偽者を睨みつけると、視線に気づいたのか『レ
イ』が烈気の方を見た。
(こいつ……あの、イムセンと同じ力……やっぱ、混沌龍王の手下かよ!)
 視線が合った瞬間に感じた力の感触に、烈気はそれと確信していた。もっと
も、こんな迷惑な事をする手合いは他にはいないだろうが。
 きゅんっ!
 偽者を睨みつつ、さてどうしようかと思案しているとバクリューが短く声を
上げた。何事かとポケットに目をやると、ぴょい、と飛び出した尻尾があっち、
あっち、と言わんばかりに一方を示している。その示す先を見た烈気は、
「っ!? ヤベっ!」
 とっさに走り出していた。
「烈気!?」
 突然の事に大樹がぎょっとしたように声を上げる。それに構わず、烈気はつ
いさっき偽者の衝撃波を受けたビルへと走った。ビルの前に小さな女の子が座
り込んで泣きじゃくり、その真上の壁が不安定にぐらついているのに気がつい
たからだ。
「烈気、危ないってば!」
 崩落の兆しに気づいた洋平が叫ぶが、それで止まる烈気ではない。
「烈気!!」
 大樹が再び名を呼んだ直後に、
「夏実!!」
 悲鳴じみた少女の声が上がった。
「あ、水無瀬さん……」
 洋平が場違いとも取れるとぼけた口調で言う通り、声の主は春奈だった。そ
の視線は座り込む少女に向けられている。
「ホラ、つかまれ!」
 一方、走り出した烈気は少女の所にたどり着き、その身体を抱え上げていた。
それとほぼ同時にビルの壁面が崩れ落ちる。
「烈気!!」
「夏実っ!!」
 大樹と洋平、春奈が叫ぶ。烈気は不安定な姿勢から強引に横に飛び退き、と
っさに張った地精障壁で飛び散る瓦礫をやり過ごした。障壁が放つ淡い黄色の
光は、砂ぼこりに上手く紛れて見えなくなる。
「あっぶねえ……大丈夫か?」
 ついさっきまでいた場所に落ちて来た巨大なコンクリートの塊にひやりとし
つつ、烈気は助けた少女に問いかける。少女はまだ震えていたものの、こくん、
と頷いてそれに答えた。そこに、大樹たちが駆け寄ってくる。
「烈気!」
「だ、大丈夫〜?」
「夏実っ! 夏実、大丈夫!?」
 大樹と洋平の呼びかけを、春奈の叫ぶような声が制した。夏実と呼ばれた少
女はその姿にほっとしたように表情を緩めてうん、と頷く。
「よかった……ありがとう、月神くん」
 心底ほっとした表情で言いつつ、春奈は深く頭を下げた。烈気は気にすんな
よ、と言いつつ立ち上がって夏実を放す。夏実はすぐに春奈に駆けより、ぎゅ
っとしがみついた。
「良かったな〜、水無瀬っ」
 大樹が妙ににこにこしながら言うのに、春奈は素直に頷いた。
「お前、オレはどうでもいいのかよ……」
 そんな大樹に烈気は思わずこんな突っ込みを入れるが、どうやら届いてはい
ないようだった。
「……あのさ〜、いつまでもここにいると、マズくない?」
 不意に、洋平が現実的な問題を定義した。それではっと我に返った烈気は、
公園の方を振り返る。偽者は勝ち誇ったような笑みを浮かべて烈気を見つめて
いたが、やがてふっとその場から消え失せた。
「……消えた……」
 大樹がぽつんと呟く。一瞬立ち直っていたようにも見えたが、やはり、その
表情からは生彩が失われていた。
(……あの野郎……)
 今はただ、青空が広がるだけの空を睨むように見つつ、烈気は拳を握り締め
る。
「……絶対、許さねえっ……」

 ざわり。
 それまで静かだった森の中で、風がざわめいた。
「……フォルティアか」
 立ち込めていた静寂を低い声が取り払う。静寂の中に佇んでいた者――龍を
模した鎧をまとった男は、肩越しに背後を振り返った。その視線の先に、一人
の女が舞い降りる。
 漆黒の長い髪と、腕にかけた羽衣さながらの長い布が目を引くその女性は、
いわゆる天女の姿を容易に思い起こさせた。実際、その装いは天女のそれを彷
彿とさせる。もっとも、きらびやかに描かれる天女のそれとは異なり、その装
いは白と黒、そしてアクセントの銀の三色でまとめられていた。シンプルな配
色だが、それはまとう者の魅力を損なう事なく、見た者に息を飲ませる鮮烈な
印象で彼女を引きたてていた。
「お加減はいかがでしょう、レヴィオラ様?」
 フォルティアと呼ばれた女性はゆっくりと立ち上がり、優雅な礼をしてから
こう問いかけた。男――混沌龍王レヴィオラはこの問いにクールな笑みを浮か
べる。
「悪くはない。人の子の負の思念の高まり、決して不快なものではないからな」
「……では、ニルドアにはこのまま幻惑を続けさせます」
 レヴィオラの返事にフォルティアは静かにこう返すが、真紅の瞳には微かに
不満げな陰りが伺えた。
「不服か?」
 短い問いに、フォルティアはいえ、と応じて首を横に振る。
「封印により枯渇した気を補うため、人の子に不信を募らせ、負の気を生じさ
せる……それが、有効な手段であると、理解はしておりますが……」
「しているが、なんだ?」
「このような形で守護龍王を貶めるのは、不本意ではございませんの?」
 静かな、それでいて鋭い問いにレヴィオラは低い笑い声をもらした。
「不本意、か……確かに、お前にとってはそうであろうな、フォルティア」
 含みのある言葉にフォルティアは柳眉を寄せ、お戯れを、と短く返す。レヴ
ィオラはふっと笑って空を見上げた。
「今回は、手段は問わぬ。時があと、どれほどあるかもわからぬのだ……急が
ねばならん」
 フォルティアに、というよりは自分自身に言い聞かせるように、レヴィオラ
は低く呟いた。フォルティアは無言でその後姿を見つめる。
「フォルティア」
 再び立ち込めた静寂は、レヴィオラに破られた。
「ニルドアに伝えよ。功を焦り、策を失するなと。新たな守護龍王の力……そ
の潜在能力はルィオラ以上やも知れん」
「……!?」
 静かな言葉にフォルティアの表情を微かな動揺が過った。レヴィオラはそれ
きり何も言わない。フォルティアは一つ息を吐くと、御意に、と言って地を蹴
った。ふわりと優雅に舞い上がった身体が、光となって消え失せる。弾けた光
の全てが消え失せると、レヴィオラは静かに目を閉じた。
 森の中は、再び静寂に閉ざされる。

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