☆キャラクター

　　　レイ　（風見　鈴）

　『異形都市』で異形を狩る狩人して生きる少女。十七歳。『狩人協会』認定
Ａクラスハンター。狩人の間では、『戦乙女』の異名で知られる。
　二年前、精神的な鬱屈から異形種に憑依され、融合体となった所をシャオに
救われた。融合体として自分がした事、人であって人ではない事に苦悩しつつ、
その力を生かして異形狩りとして生きる道を選ぶ。
　普段は、ファクトリー地区のゲーム喫茶『ハウリング・ムーン』の看板娘と
してアルバイトをしている。料理上手で明るい性格から、ファクトリーで働く
労働者たちのアイドル的存在。
　二年前に救われて以来、シャオと同棲生活を続けている。シャオを強く慕う
反面、今一つ掴みきれないその存在には戸惑いを感じている。

　自分の力を集めて槍やレイピア、シールドなどを生み出す事ができる。また、
力を発動させると純白の翼が背に開き、髪は月光を思わせる金に、瞳は真紅に
その色を変える。
　ブリュンヒルド、と名づけた槍を用い、翼を生かした高速戦を得意とする。
ちなみに、武具につけられた名前（ブリュンヒルド、クリームヒルト、シグル
ーン）は全て、神話や伝説に登場するヴァルキリーの名前。


　　　シャオ　（シャオ・ウィン）

　『異形都市』に生きる狩人で、その名を知らぬ者はない、と言われる青年。
二十四歳。『狩人協会』認定ＳＳクラスハンター。『告死天使』、あるいは、
『蒼氷の魔公子』と呼ばれている。
　都市で唯一、最高ランクであるＳＳクラスに認定されている狩人。二年前、
融合体となったレイを救い、狩人として生きる道を示した。
　その存在には謎が多く、人であるのかどうかすらも曖昧。更に、普段は一
体何をしているのかもわからない。しかし、『狩人協会』に対しては相当な
発言力を持つらしく、レイを引き取り、キリトの今後についても手配させた
らしい。
　レイを傷つけたものに対しては一切の容赦をせず、その様子から彼女に対
する強い愛情は察する事はできる。しかし、レイと共にいるのはどうもそれ
だけが理由ではないらしい。

　漆黒の長刀を武器として愛用している。一応無銘らしいが、一説によると
妖刀村正であるとか、レーヴァティンであるとか、色々と言われている。ま
た、力を発動する事で漆黒の翼を開く事ができる。また、触れただけで相手
の傷を癒す、強力なヒーリング能力も持っている。


　　　キリト　（深沢　霧斗）

　『異形種』に憑かれ、『融合体』となった少年。十二歳。レイによって種
の呪縛から逃れた。後に認定を受け『狩人協会』認定Ｅクラスハンターとし
て、ブルーとコンビを組む事になる。通称は『影使い』。
　かつてのレイと同様に精神的な鬱屈から異形種に憑かれ、暴走した。レイ
によって種を砕かれ、生き延びるものの、当初は自分のした事と自分の今後
に相当悩んだ様子。
　本来は明るく、屈託のない少年。妙に大人びた所もあり、ブルーとは年齢
の逆転したような会話を繰り広げる。

　自らの影に力を宿し、それに阿修羅の形を与えて他者を攻撃させる能力を
持つ。本人の身体能力はまだまだ未発達。


　　　ブルー　（ライオット・ブルー）

　『異形都市』に生きる狩人の一人。二十四歳。『狩人協定』認定Ｓクラス
ハンター。『碧の疾風』の異名で知られている。
　シャオをライバル視している狩人。狩人としての業績はかなり高いが、何
故かＳＳクラスに認定されていない。協会の依頼でキリトを預かる事になる
が、どうやら根回しをしたのはシャオらしい。
　都市では恐らく唯一、シャオの過去について知る男。セラフの事もそれな
りに知っている様子。
　よく言えば豪放磊落、悪く言えば大雑把な性格。案外と子供っぽい一面も。

　特殊鋼で鍛えられたグレート・ソードを愛用。特殊な能力などは全くない
ようだが、その剣技には定評がある。


　　　セラフ　

　自らを『新たな世界の神』と称する少年。見た目の年齢は十五、六歳ほど。
銀色に輝く翼を持ち、常に笑みを浮かべたその姿は天使と見紛うほど。
　天使の外見に反して性格は冷酷。必要ない、と判断したものは微笑ながら
消滅させる。レイの事を『新たな世界を導く女神』と呼び、自らの物にしよ
うとしている。シャオとは、かなり浅からぬ因縁があるらしい。


　　　カツミ　（都築　勝海）

　ゲーム喫茶『ハウリング・ムーン』でゲームマシンのメンテナンスやファ
クトリー内への出前を担当している青年。レイのバイト仲間。十九歳。
　若き天才プログラマーとしてその名を知られていたが、ハッキングに手を
出した事で都市の上層部に睨まれ、下街へ逃げてきた。
　いつも明るく、のほほんお気楽にしているが、『表側』に残して来た家族
の事は気になっているらしい。


　　　マスター　

　ゲーム喫茶『ハウリング・ムーン』のマスター。年齢不詳だが、三十代後
半と思われる。ちなみに、本名は相模悠真（さがみ　ゆうま）というらしい。
　普段はぼーっとしているが、実は射撃のＳＳクラスライセンスを所有。体
術もかなりのもので、ぽやんとした見た目に騙されて痛い目を見た者は数知
れず。
　その過去については全くの謎。