目次へ


  
 ふわり舞う薄紅の中に佇んで
 そっと手を伸ばしてみる
 見えない何か掴みたくて

 すり抜けていく薄紅のひとひら
 それは掴み取ることの許されぬ僕の夢?

 …そんなことない、そう呟いて
 伸ばした手を握り締める

 ふわり舞う頼りない薄紅
 でもそれは確かに「そこにある」
 僕の夢もそう…
 確かに「あるもの」だから
 諦めなければ必ず掴める…

 握った手、そっと開いて薄紅を解き放ったら
 歩き出そう、ゆっくりと、先へ向けて…



ミニブック『るなてぃっく・ふらいと』収録作の一つ。
1号店の3200ヒット記念で、『桜』をお題に書いたもの。
工場の山桜の散りっぷりを見ていて思いついたのは内緒の方向性で(笑)。
中々200字に収まりきらず、悩みながら書いたのが懐かしい一本。
                                       2004.11.22