[[蒼天輪舞]]
熱風の騎竜師 エディ
―宿舎にて―
[騒ぎを起こした張本人も怪我をしている上に、他にもけが人が増えたことから、軽症なエディたちは宿舎の自室に戻り。
それでもやっぱり怪我は怪我なので、あと数日は自室で大人しくしていなければならないのだった]
なー、ラヴィ。
怪我が治ったら土産買って、ラヴィのお師匠さんとこいくか?
俺はそのあと南に帰るつもりだし……
できれば、ついてきてくれるといーなー、とか思ってるけど。
[部屋でごろごろしながら、なにやら窓の外を見ていたラヴィに声をかける。
再会してからの月日は短くはないけれど、それでもすべてをわかっているわけじゃないから、どうかなー、と問うような視線を向けたのだった]
#hr
兎精霊師 ラヴィ
― 宿舎 ―
えっ、あっ?
[今しがた、鳩に託してきた問いのことを考えて、ボンヤリと窓越しの空を眺めていた所に掛かる声。
絶妙に重なる話にドキリとして。ちょっと挙動不審に前脚を動かした]
そうねー。戻るならお土産は必要。
何がいいかしら。
[少しだけ現実逃避を挟んで。
フッと息を吐いた]
大会、終わりだもんね。
エディは南に戻って…守護に就くの、よね。
[北の庵でした約束は「精霊師として助けながら一緒に旅をする」というもの。
エディが南方へ戻り守護者となるなら、その約束は終わってしまうことになる]
…うん。私も行きたいな。
エディがクルトと暮らしてたのはどんな所か、一度見てみたかったんだもの。
[ついてきてくれると、と言われて、嬉しそうにニッコリと笑う。
ただそれは、まだ訪問に過ぎないレベルでの話に留まってしまっていた]
#hr
熱風の騎竜師 エディ
―宿舎―
[挙動不審なラヴィをきょとりと見やり。
ごろりと転がったまま、ラヴィを見上げた]
お師匠さんへの土産はラヴィが選んでくれ。
あのときしばらく一緒にいたとはいえ、好みまではわからなかったからなあ。
[ラヴィと再会したときに、旅に出ようと口説くのに時間がかかったことを思い出し。
そのときに師匠とも話をしていたが、半人前扱いされたうえに好みを聞くようなことはしなかったので丸投げた]
んー、まあ、俺の師匠も年だしな。
そういう約束だったし、南に帰る。
[それは変わらないと言う様に頷く。
約束は約束だけど、延長か変更できないかな、と思っているのはまだいえない。
今の姿が不安定だと、北の隠者に念を押されていたから]
南もいいところだぞ。
[にこりと笑って、頷くラヴィをぽふぽふ撫でた。
兎姿のラヴィをつれて帰ったら玩具にされるだろうな、と思ったのは言わず。
なによりも――南に倶に行くのなら、人の姿を取り戻させてやりたい、とも思い]
ラヴィが元の姿にもどるには……
[なにが必要なんだろうな、と、無意識に呟いたのだった]
#hr
兎精霊師 ラヴィ
― 宿舎 ―
師匠の好み…やっぱ、お酒?
味見は手伝って。
[背負う山上には万年雪、な土地柄。酒はほぼ毎日嗜まれていた。因みに若かりし頃より蟒蛇だったらしいとは、東方の客人の内緒話。
エディも滞在中は付き合わされていたはず。無理に飲ませる人でもないが、兎の許容量は低く、晩酌相手には物足りない故に]
そうだよね。それは帰らなきゃいけない。
騎竜師は大概そういうものだし。
旅生活もおしまい、か。
エディご自慢の土地。
いいところなんだろうな。
[延長の話も、まだ出ないから。なんとなくしみじみとしてきてしまった。
楽しかった5年間、もっと、の思いは小さくもないけれど。
まだ知らぬ南方に思いを馳せれば、オモチャ云々も知らず、笑顔を浮かべていたが]
………。
[無意識らしい呟きに、耳がヘロンと力無く垂れた]
……さあ、分からない。
[今も氷漬けの身体。
あの日、雪崩の中で狂える精霊に呑みこまれて。本来の精神が弾き出されたのは不幸中の幸いだった。
様子を見に来た隠者の助けもあって、今ここにいる]
ね。馬鹿なこと言ってもいい?
宝珠が…聖宝が使えたら、って。
[撫でられていた姿勢のまま、ぺたりと顔を伏せ。小さく囁くように]
……やらないけど。
思っても、普通はやらないよ。
失うものの方が多いに決まってる。
なのに…ね。
[今回の騒ぎを起こした者達を思う。
一人は両腕を失ったと聞く。もう一人も詳しくはまだ知れないが、きっと]
………。
何にしても時間は必要そうなのよ!
もっともっと、エディやクルトの力になれたらいいのに。
[ぶるぶると頭を振り、明るく言いながら顔を上げた。
空元気を引っ張り出し、エディに向けるのは、いつものような笑顔。
心配や不安を押し付けたりはしたくないから]
#hr
熱風の騎竜師 エディ
―宿舎―
あー……うん、そうだな。
ラヴィはお酒よわいし、どうせ行ったら飲まされるんだから美味しいの買っていこう。
[滞在していた間、寝るまで飲むのにつきあわされたことを思い出してとても納得していた。
今度の滞在はそんなに長くないとはいえ、確実に飲まされるのは目に見えているから小さく笑って頷いた]
――そうだな、旅も終わりにしないと……
ラヴィも住んでみたらより良さがわかるぞ。
まあ、兎の体じゃ暑すぎてしんどいかもしれないけど。
[北とくらべれば、南は温かいというより暑い。
そんなところにいまのまま連れて行くのはしんどいだろうなあとしみじみ思い。
零れ落ちた呟きをききとったラヴィの耳がへたるのに、あわててよしよしとなでた]
ん?
……あー……まあ、そう考えるのもわからなくないけど、でもきっと宝珠の力を借りなくてもなんとかなるんじゃないかな、って思ってる。
[ぺたりと伏せたラヴィの傍ら、体を起こして真面目に答えた。
やらない、というのにはうん、と笑顔で頷きを返し]
それにほら、お師匠さんとこ戻ったときに実は戻る方法がわかった!とか、あるかもしれないしな。
宝珠の力がどうしても必要だって言うときは、奪うんじゃなくてかしてくれるよう頼みに行けばいい。
[だろう?と明るく笑って提案した。
貸してくれるかどうかもわからないのに、自信満々だった]
ラヴィはそのまんまで十分力になってくれてるって。
でもまあ、時間が欲しいのは同意する。
もっとラヴィと一緒にいたいしな。
[うんうんと頷いて、にこにこと笑みを浮かべた。
いつもの笑顔を浮かべるラヴィの頭をわしゃわしゃと撫でて]
んー、部屋でじっとしてるのも飽きてきた。
どっか行くか?
[ぐい、と伸びをする躰は、ちょっとした痛みがある程度。
その程度で動けないわけじゃないから暇つぶしをかねて、ラヴィに提案するのだった]
#hr
兎精霊師 ラヴィ
― 宿舎 ―
うん、それが正解。
そういえばエディは上手につきあって飲んでたよね。
[偶の客人の中には、酔い潰されるのを覚悟の上で来ていた者もあった。
それと知っても相手によっては付き合わせる師匠も師匠なのだが。
さておき、どうせなら当人も楽しいものの方が良いに決まっていた]
――5年なんて、あっという間だったね……。
………。
うーん、暑いのは確かに得意じゃないけど。
旅で慣れたから、まあ少しは大丈夫だと思う。
[旅生活でも南方には殆ど行かなかった。修行も兼ねていたなら当然だったか。
住んでみれば、というのには、短くも長くもない沈黙を挟んでから、どこか暈して微笑と共に返し。
慌てたように宥めるように撫でられると、フゥッと息を吐いて。
真面目な顔で身体を起すエディを上目遣いで見上げた]
うん。そうだよね。
何か別の方法がまだ、きっとある。
もっと自然な何か方法を、すぐにでなくていいから、私は。
[自分にも言い聞かせるよに答えれば、更に明るい言葉が重ねられた。
根拠は何も感じられないのに、やたら自信満々な笑顔]
……プッ。
[まだ顔そのものは下を向いたまま、釣られるように吹きだす]
あ、アッハハハハッ。
エディらしいわ。悩んでるのが馬鹿みたい。
[笑っていればわしゃわしゃと撫でられて。
手と言葉と、両方に擽ったそうにしながら軽く身を捩る。
それから今度は顔ごと、エディを見上げ]
だから、私はエディのことが好きよ。
[眸を細めながら、サラリ]
そーね。別に絶対安静とかじゃないんだし。
それこそお土産でも見に行ってみる?
……あっ、エレオノーレさんへのお礼もまだじゃない!
[ぐい、と身体を伸ばすエディに、大丈夫?と首を傾げてみたりもしながら。
提案にはコクコクと頷き、ひょい、と身体を起こした]
#hr
熱風の騎竜師 エディ
―宿舎―
まあ、俺の師匠も酒好きだからなあ。
飲む人の扱いは慣れてる。
[思い出すようにしみじみと答えた。
爆炎の師匠もうわばみだ。北の隠者とは会うたびに樽単位で開けているようだが、さすがにそこまではエディも知らなかった]
楽しいから、あっというまに感じるんだよな。
[旅は北から東へ西へと、南よりにいったこともあるけれど、南方へは一度も帰らなかった。
大丈夫だと微笑むラヴィにはそれ以上言葉は重ねず]
なっ、なんで笑うんだよっ!
[他の方法が、というのにそうそう、と頷いていれば、なぜか大笑いされて憮然とした顔をして見せた。
擽ったそうなラヴィから手を離して、俺らしいってどういうことだよ、と首をかしげた]
お、おう、ありがと。
俺もラヴィのこと好きだ。
[さらりと告げられた言葉に脈絡がわからないまま、きょとんとして答え]
土産見に行くのいいな。
ああっ! エレの御見舞いもいきたいし。
見舞いの品買っていくかっ。
[体を起こしたラヴィを肩に乗せて、そのまま先ずは大通りへと向かい。
その後あーだこーだ、御見舞いの品をみつくろって、医務室へと向かい。
そこでドタバタ、いろいろあったかもしれなかった**]
#hr
兎精霊師 ラヴィ
― 宿舎 ―
そっか。
じゃあ、エディのお師匠様へのお土産もお酒がいいかしら。
[北の庵に居た頃でも、師匠の客人とは接触することが少なくて。
それは呪がまだ不安定だったり何だりと理由があったけれど…それはまた別のお話。
爆炎の騎竜師とも知り合いらしいことだけは、エディと師匠の会話で知れていた。
蟒蛇同士の酒盛りがどんなことになるか。巻き込まれずに済んだのはきっと幸せ]
だって。あんまりに自信満々なんだもの。
そんなにまっすぐ前を見てられる人、そうそういないんだよ。
ホントにエディらしい。
[どこかしみじみとした会話の後、憮然とされればそれもまた逆効果にしかならず。
首を傾げるのにもクスクス笑いながら、そのままでいいのだと首を振った。
続いた言葉は自然に零れて。きょとんと返されると笑顔が深まる。
けれどそれがどういう意味なのか、言葉で説明されることはなかった]
うん、甘いお菓子とか、元気の出そうなものを何か探して。
そうしよう。
[ぴょいっ、とエディの肩に乗る。
いつもの位置で落ち着いて、買い物した後に医務室へと向かう。
まだ寝ていたら悪いと控えめにしたノックの音は、取り込み中だと小さすぎたらしく。
ドタバタまでの秒読みが開始されていた、かもしれない**]