村関連SS置き場/蒼天輪舞/─大会終了後・医務室6日目の朝─ 2

Last-modified: 2011-04-30 (土) 15:58:05

熱風の騎竜師 エディ & 兎精霊師 ラヴィ

[騒いではいけない場所だからと控えめにしたノックは反応がなく。
呟きや囁きを扉越しに拾えるはずもなく。
その部屋内は精霊に頼んでも覗くことが出来なかったので]

「どうしよう?」

そっと様子だけ窺ってみるとか。

「分かった」

[もしカークが看病疲れでダウンでもしていたら。
そんな気遣いからの行動は見事、裏目に出た。
音は立てないようにしながらもしっかり大きく扉を開いたエディ。

眠っているかと思った二人は。
重なり合う距離に、居た。

シマッタ、とは思いながらも動くに動けない。
その先で小柄な影が動いたかと思うと、勢い良く枕が宙を飛び]

「……わ。」
 ……あ。

[思わず同時に声を洩らしていた]


嵐激の騎竜師 カーク

[扉の向こうの気配に気づいていなかったのは、多分、6日間の疲れのせい。
それ以上に、ずっと抱えてきたもどかしさが解消された安堵に気が緩んでいたのかも知れない、が]

……お前って、ホント……。

[囁きと、口付けへの反応に、浮かんだのは笑み。
内なる嵐の赴くまま、腕の内に捕らえて唇に直接触れていたらどんな反応をしたのやら、と。
そんな事を考えたのは、一瞬の事]

て、こら、病み上がり落ち着けっ……。

[枕を掴む手に突っ込みを飛ばすも、遅く。
いや、何事もなければ避けるは容易いはず──だったのだが]

「……わ。」
「……あ。」

……はい?

[唐突に聞こえた、声。
それに一瞬気を取られた事で、対処は遅れた。

もふっ。

気持ち、入り口側を振り返っていたから、顔面直撃ではなかったものの。
枕はきっちり、頭を直撃して、ぽふん、と落ちた]

……おま、えら。
いつから、そこ、に。

[枕が落ちた後、入り口で立ち尽くすふたりに向けて。
最初に投げかけたのは、こんな問いかけ。
声音にはなんとも、びみょーな響きが混ざっていた]


精霊師 エレオノーレ

[病み上がりに好きな人が最接近中。この状況で扉の向こうの気配になど気づけるはずがない。
何やら内で邪な事を考えられている事も、当然知る由も無く。]

何が、ホント、なのっ!

[当たる当たらないは関係ない。投げることに意味がある。
なんて細かいことを考えていたわけではないが、静止の言葉に耳を貸さずに半身を起こして、うわんと枕を投げつけた。]

「……わ。」
「……あ。」

「……はい?」

え……

[闖入者の声には気づかなかったものの、目の前にいた人の反応で何かあった事は伺えて。
もふんと枕が当たったのに内心、ぐ、と拳を握ったのもつかの間、嫌な予感をおぼえてゆっくりと、顔を扉の方へ向けると。]

ら……
ラヴィ、さん、
エディ、さま……

[なにやらしっかり一部始終見ていたらしい様子の二人の姿を見つけて、音を立てて固まった。]


見習い騎竜師ユーリエ&カリギュラ

エレオノーレさん起きたかなぁ〜?

[勝手しったるなんとやら、アプサラスさんことお姉様と外の名称カークこと師匠がいたりするからか頻繁にやってきていた。その間にカリギュラがアプサラスお姉様に甘えだしたりなどとあったが、カリギュラもエレオノーレが倒れたままのが心配だ。
だからこうして顔を出しに来るのはよくあることで、先客…エディさんとラヴィさんがいたが、その横からひょっこり顔を出す...とカリギュラ。]

……はぇ?

『グァ(目覚めてた、よかったー…んだけど…ゆりっぺ、こりゃとんでもないタイミングだぜ)』

[何を見たとかはまあいわないけれど、頬を紅く染めてはぅ〜な感じであった。]


熱風の騎竜師 エディ & 兎精霊師 ラヴィ

ユーリエ。

[隣から聞こえた別の一人と一匹の声に、二人揃って横を向いた。
それまでは視線を逸らそうにもそらせなかったりしたわけで。
ユーリエとカリギュラと、4者で顔を見合わせ微妙に笑ってみたり。
ちなみにここ数日でさんづけが取れてしまっていたりしたようだ。

そうこうしてると、部屋に居た当事者からも声が届いて]

えーと…。
「エレちゃんが枕を手に取る前あたりから?」

[耳をぱたぱたさせて誤魔化そうとする横で、エディが律儀に答えて返す。
密かな宣は聞こえぬまでも、その場面からキッチリ見てしまいましたと]

ね、寝ちゃってるのかと思ったのよ?

[これまた頬を紅く染め、もじもじしながら言い訳を添えた]


嵐激の騎竜師 カーク

[エレオノーレが音入りで固まるのは、気配でわかった。
さてどうしてくれよう、と思う所に新たにやって来る岩竜とユーリエ。
そして、投げかけた問いへの、律儀な返答に、軽く、頭痛がした]

……不覚。

[零れた言葉は、気づけなかった事への悔恨。
とはいえ、今はそれで悩んでいる場合では、ない]

……つうか、なぁ。
扉開ける前に声、かけろやお前ら……。

[ノックを聞き落としたとは思いもよらず。
これは自重してよかったのか、とか。
何だか、現実逃避な方向へと意識がそれかかるものの、それは抑えた。
こんな時にぎりぎりの平静を失わぬのは、ある意味では本来肩書きの賜物なのかも知れない。
当然、嬉しくはないが]

……んで。
揃いも揃って、何の用、だよ?

[深く、ふかく、息を吐いてから、来訪者たちを見回して問いかける。
ずっと溜め込んでいたものを言うだけ言った後だからか。
妙な余裕も、生じていたりした]


精霊師 エレオノーレ

[固まっていても視線は動く。
隣にユーリエとカリギュラまで居た事に気づけば、羞恥で顔からは湯気が出るほど赤く染まり、いつの間にか止まっていた涙が再びじわりと湧いてきた。
エディの声に、一番アレな所から見られていると知れば、ふるふる、と握り締めた手は微かに震えだした。
やけにカークが冷静なのも、色々と拍車をかけたかもしれない。]

きっ………

[精霊師の精神に反応してか、内なる守護精霊は目を覚ます。相変わらず機嫌は悪い。
でばがめ宜しく周囲を伺っていた精霊達が、扉が開くとなんだなんだとふわり舞い込んできて寄ってはからかうように周囲を舞う。
ざわり、なにやら良くない風だか気配だかが、可哀相な精霊師の周囲に漂った。]

Age ...

(お願いだから…)

[ひくり、と頬と引き攣らせながら、口にするのは精霊語。そこに後先考える余裕はない。]

Lorem vade hinc ubi procul obsecro―――― ! !

(お願いだからどこかどこか遠くへ行ってください――――!!)

[涙目のまま相手も場所も現在状況も何も考えずに、
有らん限りの力を使って室内に小嵐を巻き起こし、その周囲に居た者全てぶっ飛ばそうと巻き込んだ。
同じく精霊師のラヴィや、精霊に親しい騎竜師や竜らが居る最中、それは果たしてどこまで成功したのやら。

どちらにせよ、力を一気に使い果たした後は途端に蒼くなり、きゅぅと意識を失うと再びベットにふらりと埋没した*]


熱風の騎竜師 エディ & 兎精霊師 ラヴィ

「ノックはしたぞ」
何の用と言われても、お見舞いのつもり、だったんだけど…。

[不覚の言葉に、きっぱりと答えるエディ。その肩でコクコクと頷くラヴィ。
何しに来たと問われればそこに嘘は何もなく、エディが手にした焼き菓子の籠を示し。
ユーリエ達も同じじゃないかなと、確認するよにそちらを見て首こてん。
直後、首の後ろがゾワッと逆毛立った]

ちょ、エレ、まっ!?

[同じ精霊師なればこそ、そこに篭るだろう力は想像出来て。
言われた言葉は理解すれど……逃げれば済むようなレベルでもなさげだった。
慌ててエディの肩から前へと飛び降りる]

Jag är ledsen!
―― Ta tillbaka tystnaden är lugnande.

[先に謝罪を紡ぎ、続けて宥めと静寂を風と音の精霊に頼む。
とはいえ、目覚めたばかりだろうエレオノーレに術返しをしてしまうわけにもいかず、あくまでもそれは手加減なしの威力を下げるためだけのもの。
吹き飛ばされるのは免れず……距離を自分から縮めてしまったのもあり、見事に吹き飛ばされた。エディやユーリエ達がどうなったか、確認する余裕も皆無で]

きゅぅぅぅ。

[渦巻いた風は軽い兎の身体をくるくると翻弄する。
弾かれた先の壁で跳ね、天井でもいい音を響かせて。
力を使い果たし沈没したエレオノーレの隣に、べしょりと落下したのだった]


見習い騎竜師ユーリエ&カリギュラ

エディさん、ラヴィさん。

[二人をいつまでも見続けるには相当な精神力がいて、自分たちよりも少し速くきていた見舞い客こと、エディ、ラヴィのほうを見ればそちらと目が合い同じように微妙に笑ってみたりする。
ちなみにこちらが未ださん付けなのは親しみ意外に敬意というものがあるからだ

そして師匠のいう「いつからそこに」という言葉に頬を紅く染めているだけでも答えのようなものなのに、エディの言葉にまで頷いて余計拍車をかけたりなんかして]

エレオノーレさんの容態が気になって
エディさんたちとタイミングが合ったのは偶然なんですよ。

[まあだからわざとじゃないんです。と申し訳なさそうに答える。
エディたちもやはりお見舞いだったようでところで]

『グァー(なんかエレが赤くなったぞ。きっとかー君は酸性なんだな)』

そんなことよりなんか嫌な予感だよ。

[精霊言語などわからぬが、ぞくぞくっと嫌な予感が背筋を駆け巡る。
だが、それを察知できたとして何かできるのかといえばそれは別問題。
カリギュラならどうにかできるかもしれないが、この医務室にあるとんでもない額の医療器材のことを知っているため現実的にできないという面もある。
結果。ラヴィの力で弱められたとはいえエレオノーレの起こした小嵐に巻き込まれ、棚にぶつかった。運がいいところとしては薬剤の入った棚ではなく包帯などが入った棚だったことだろうがダメージがなくなるわけではなかった。]

へ、へぅ〜
『きゅるー(死ぬ前にお菓子をいっぱい食べたかった・・・がく)』

[今更ながらどちらにいってもお邪魔虫になりかねないよねーなんて思いつつくてっとしたのであった]


流麗の騎竜師 アプサラス

[大会中も終了直後も色々起きはしたものの、一般に対する被害はそれほど多くなく。
大会から6日も過ぎれば、治療の為に医務室に在る者の数は少なくなっていた。
ただ、いまだ床について目覚めぬ患者や沙汰が下っていない患者は無理に動かさぬ方が良いということで、個室は幾つか埋まったままだった。]

…うん、今日のお花はこれとこれにしましょう。

[医術師のパートナーである騎竜師は、事務的な手続きが終わればすぐに己の守護地へと戻らねばならなかった。
だからこそ、滞在中は水差しの取替えをしたり毎日花を飾ったり、自分の出来ることをしていた。

今も、花瓶に飾る花を選んで茎を切り揃えていたのだけれど。]

──…っ、何!?

[突如聞こえた物音に、その音の出た先を見る。
そこは未だ目覚めぬままの、嵐激の騎竜師のパートナーたる少女の部屋で。
また何事が起きたのだろうかと、無意識に花を抱えたまま慌てて向かったのだが。
開いたままの扉から覗いた部屋の中の状況に呆気に取られ、しばし呆然とした後。]

………いったい、何があったの?

[間の抜けた問いが口から零れた。]


嵐激の騎竜師 カーク

あー……そう、だったか。
気づいてなかった、悪ぃ。

[ノックはした、とエディから言われれば、きょと、と瞬きひとつ。
更にラヴィに、お見舞い、と言われがじ、と頭を掻いて。
ユーリエたちの目的も同じと聞くと、はあ、と息を吐いた]

ん、まあ、見ての通り。
まだ本調子じゃないが……。

[一応目は覚ました、と。
言うのと、何やら力の流れが生じるのは、どちらが先か──]

ちょ、まっ……エレオっ!?

[静止は全く間に合わず。
精霊師たちの力のせめぎ合いの中、何かできるかと言えばできるはずもなく。
とりあえず、風の力の干渉は、ほんの少しは和らげられる身なので、ダメージは少なかった──のだが]

……あー、と。

[気絶したエレオノーレ、べしょりと落下したラヴィ、くてっとしたユーリエとカリギュラ。
エディは直撃を凌いだか、どうか。
とりあえず、足元に落ちた枕を拾って]

……すまん。

[何か他に言葉もなくて、それだけ言った──ところに駆け込むアプサラス]

何が、と言われても、なぁ。
ちょっとあって、エレオが暴走した……としか。

[その原因を追究されると、困るわけだが。
とりあえず、それしか言えなかった]


流麗の騎竜師 アプサラス

……ぼうそう?

[部屋の中はまるで竜巻が通り過ぎたような散々たるもので。
床にぺしょりと伏せっているラヴィや、包帯まみれになってくってりしているユーリエとカリギュラの姿もみれば、何事が起きたのだろうと目を丸くした。
何故か枕を手に立ち尽くしていたカークから、端的に返された答えに首を傾げたが。]

───…良く解らないのだけれど…
とりあえず、エレオノーレさんは目を覚まされたのね?

[暴走した、ということは少なくとも一度気がついたということで。
肯定の返事が返れば、良かった、と微笑んだ。
もっとも今は気絶しているから多少心配そうに見やりはしたが、それよりも部屋の惨状の方が気にかかり。
ひとまず、ずっと持ったままだった花を奇跡的に無事だった花瓶に生けた。]

それにしても…暴走なんて、ずっと臥せっていらしたのに…
カークさん、あまり無理をさせては駄目よ?

[花瓶に、黄色い小さな花をいくつもつけた枝と白い小さな無数の花、それに薄紫の花を合わせて生けながらずっと彼女の傍についていた彼に向けた言葉。
それに他意はなかったが、どのように届いただろうか。]


見習い騎竜師ユーリエ&カリギュラ(変顔バージョン)

は…はぅ〜
『キュル〜(馬に蹴られた〜)』

[気を失うほどではないが頭がくらくらするし、あちこち痛い中、やってきたアプサラスに事情を説明するカークを見たりしつつ、包帯を横に退けて、アプサラスのもとへと、一人と一匹はとてとてといって]

へーかが時と場所を考えないからこんなことになったー
『グァー(若いっていいよなぁー)』

[痛かったよーというようにアプサラスへと一人と一匹は甘えにいきながらも、物凄く気の抜けたような口調でいったが、どう思われるかは知らない]


熱風の騎竜師 エディ & 兎精霊師 ラヴィ

「ラヴィ!」

[少し離れた場所からエディの声がした。
生きてるよの印にぴこっと耳を持ち上げ、またへしょり。
それが出来るのだからまあ大丈夫だと付き合いから知れるだろう。
位置的にユーリエを庇おうとしたりしたのだろうか。棚から落ちてきた何かを振り払っているのは、床に伸びた状態からでは見えなかったけれど。
そうこうしている内にアプサラスの声も聞こえてきて]

こっちは、だいじょぶ、だけど。
エレオ、ノーレ、は?

[体力的にも精神的にも。大丈夫だけど大丈夫じゃないのは声が物語っていたか。
瀕死状態ではないから会話はそれなりに耳に届いていて]

あー、そうだった。それもあった。
トアル人から、伝言があるんですケド。
ここでお伝えしても?

[どうにか顔をあげれば、そこからカークの姿は見えただろうか。
視線が合うのはエディが抱えてくれてからになるかもしれない。
ちょっとばかりジト目なのはまあ、八つ当たり気分も混じっているからだった]


風精 ドロシー

[そこらへんをふわふわしていると、仲間たちがとても楽しそうにしていた。
きゃっきゃとはしゃぐ同族に聞いて、足取り軽く、医務室へと向かって……]

う?
ちわげんか?

[惨状にそんな事を言った。
多分意味はわかってない。]

カーク、めー!

[アプサラスとユーリエがなんだかカークに文句を言ってるっぽかったので、悪いのはカークだろうと勝手にあたりをつけた。
めー、なんてしっかり口を尖らした。
そうして中にいるエディとラヴィに、かけよってぎゅうってしたりする。お話の邪魔はするつもりもない。]


嵐激の騎竜師 カーク

ん、ああ、目は覚ました。
まあ、今は御覧の通り、だが……。

[確かめるよなアプサラスに頷いて。
無理をさせては、という言葉に、一つ、息を吐いた]

わかってるって。
今回はまあ……その、なんだ。
色々と、間が悪かった……ってぇ事で。

[実際、色々と間が悪かった結果なわけで。
苦笑と共に向けるのは、こんな言葉。
ユーリエとカリギュラがなんか言ってるのにはジト目を向けて]

ってー、こら、そこ!
原因の一端なのは認めるが、俺だけのせいじゃねーぞ!

[ドロシーには、子供っぽくこんな反論をして、それから]

……身体の方は、まだ、休息がいるだろう、な。
精神の方はまあ……静かになって落ち着けば、大丈夫だと思う。
多分。
色々で、テンパってたとこに色々が重なったから、な。

[一度、エレオノーレの方を見てから、ラヴィに答える。
とりあえず、拾った枕は気絶したエレオノーレにそのまま宛がって。
ごめんな、と呟いて、軽く、頭を撫でてから]

……『トアル人』からの、伝言?

[ジト目気味の視線と、向けられた問いかけ。
何となく、嫌な予感がしたのは気のせいじゃないような気がした。
とはいえ、この状況で他の面々に外してもらうのも、それはそれで話をややこしくしそうな気がして──]

……誰からか、は大体想像がつくんだが……。
何、言って来たんだよ?

[がじ、と頭を掻いた後。
色々と観念しながら、こう問いかけた]


精霊師 エレオノーレ

[待てと言われて止まるはずもなく。
思いっきり全力を使い果たした後はぱたりと気を失っていたのだが。]

……ぅぅ

[気を失ったのは僅か。撫でられる気配は心地よく、眠ってしまいたくはあるが
内側に眠る精霊がべしべししてくるのもあってか、それなりに早い時間で目を覚ました。
覚ました瞬間増えてる人に、びしりとまた固まったわけですが。]

う……アプサラス、さま、に………

[なんだか可愛らしい、実体化しているだろう精霊までいる。
他にも人の気配がちらほらあったような気がする。
だらだら、背中に汗をかきつつ謝罪も忘れてじんわり涙がまた湧いた。

何でこんな事に。
まぁ自分も悪いのだが、その辺りはするっと抜けている。
誰かから何か言われようものなら]

だって……カーク、が、むりやり…

[なお、”むりやり”ではなく”いきなり”、が正しいのだが本人的に大した違いがないらしい。
そんな事を涙目で言って、すすすとシーツを鼻の上まで持っていって隠れた。]


熱風の騎竜師 エディ & 兎精霊師 ラヴィ

そうね。まだ起きたばかりなら。
そのためにお菓子も持ってきたのに。

[大丈夫だろうというカークの見立てには、苦笑しながら頷いて]

ドロシー。

[エディに抱えられながら、やってきた風精には笑顔を向けた。
大丈夫だよと頬をすり寄せ、エディはニコニコとドロシーの頭を撫でて。
そこに目覚めたエレオノーレから「むりやり」とかいう言葉が聞こえたので、ふーん、とかジト目が生温かくなったりもしつつ]

あら。ここでいいんですか。
じゃあ…ちょっと力貸して。

[一番近くにいる風精、ドロシーにお願いを。
バテてても、親しい精霊がいれば出来るオマケとして]

『…キリクの坊主が準優勝とは。
 まだ其処に居るなら、祝いを述べていたと伝えておくれ』

[鳩が届けてきた師匠の声をそのままに再生してから]

というわけで。
準優勝おめでとうございます、キリク・フェオリバラム・ユウレン陛下。
優勝こそは逃されましたが、重ねてのお祝いも。

[ニッコリ。
重ねての祝い、の部分ではチラリとエレオノーレも見つつ。
兄弟子や師匠にも繋がるようなイイ笑顔(兎仕様)で述べた]


風精 ドロシー

だってみんなカークのせいって言うよ!

[みんな=そこらの風精含む。
多分に面白がっているけれども。
てくてく近づいて、エディとラヴィに懐いて。
それから、エレオノーレがむりやりとか言うのを聞くと、カークをみて、エレオノーレを見て。]

……あーれー?

[首を傾げた。
ごむたいをー、とかそういう遊びをどこかで見たことがあるようである。
それでも、ラヴィに言われればこくこくと頷いて。]

うんっ!
ラヴィのためなら、なんでもするよ!

[きらきらと、ついでにそのへんにいる風精も巻き込んだ。
ラヴィが望むままに力は変質して、声を作り上げる。
終わったあとはラヴィのお祝いに、目をぱちくりさせて。]

おめでとー!

[こっちは素直に祝った。よくわかってないながらも。]


流麗の騎竜師 アプサラス

あら、あらあら…それは──…
えぇと、災難、だったわね?

[花瓶に花を生けているところにとてとてと近寄ってきたユーリエとカリギュラをよしよしと撫で。
ユーリエからの証言を聞くと目をぱちくりさせたものの、ユーリエとカリギュラに目立った怪我はなさそうなのを確認し。
床に伏せっていたラヴィからも大丈夫という一応の返答がくれば少し安堵して表情は緩んだ。
こちらには苦笑を浮かべ、ユーリエ達にはジト目を向けたカークには、良く解らないけれど察するところもあったか苦笑を向けるに留めかけたのだが。
そこにやってきたドロシーにあら、と視線を移した時自分の名を呼ぶ声が聞こえ。
目を覚まされたのね、と微笑み声をかけようとして、聞こえた言葉に思考とか色々停止した。]

………───え…

あ、え、えぇと、その…
エレオノーレさんが目を覚まされて、嬉しかったのでしょうけれど…
む、無理やりは、良くないと、思うの。

その、ずっと臥せってみえたの、だし。

[暫し固まった後、かぁあ、と音が出る程に赤くなって。
ラヴィがジト目でお祝いしてるのも聞いてはいる、程度で反応はできず。
真っ赤な顔で挙動不審になりつつもカークにそんなことを言った。]


見習い騎竜師ユーリエ&カリギュラ

へーか怖ーい

[カークからのジト目が何であるのかわかっていたが、わざとらしくアプサラスに甘えるようにして隠れつつもなでてもらって、一人と一匹はご機嫌であった。]

(ぽかぽか暖かくて、お姉さんみたい・・・)

[家族の肖像はなんとなく程度にしか既に浮かばないが、そんなことを考えながらドロシーが入ってきて、カークを責めたり、それに言い返したりしてる中。
「へーか」に対する「へーか」的、祝いの言葉がラヴィのほうからされていて目をぱちくりしつつ、エレオノーレが起きたことに気づいて目を向けた。]

・・・でもエレオノーレさんも嫌がってなかったような?

[うんうんとカリギュラは頷きながらもエレオノーレのところまでとてとて歩いていって、なでれ、というようにごろごろ甘えた]


嵐激の騎竜師 カーク

[色々と観念していたら、「むりやり」とか聞こえた]

あ、あのな、そういう誤解を招く物言いをっ……。

[突っ込みを入れる間に、一体何を思い浮かべたのやら真っ赤になって挙動不審なアプサラス]

いや、まて、自重はしたぞ、自重はっ!

[唇奪いたい所を額で我慢したんだから、とまで言うのは耐えた。抑えた。言ったら余計に状況が悪化する、とナニカが囁いた気がしていた。
ユーリエのエレオノーレへの突っ込みには、ちら、とそちらを見たりもしたが。

ラヴィがドロシーの力を借りて響かせた『伝言』と、その後のラヴィの言葉にそれどころではなくなった]

……いや。いずれここには知れるだろうたぁ思っちゃいたが。
よりによって、このタイミングでそう寄越すか……あんのっ……。

[万年若作り、と。
禁句はぎりぎり口にするのは耐えたが、多分、言わんとする所は雰囲気で伝わるだろう。
がっくり、と。
額に手を当てて、大きく息を吐きながら、肩を落とす。
イイ笑顔で向けられる、本来の名での祝辞やら、無邪気な風精の祝いやら。
何だか思いっきり遠いところに行きたくなった]

……お前さん、そーゆーとこは。
兄弟子に、似すぎてる、な。

[しばしの間を置いて、ラヴィにぼそり、と突っ込む。
当の『兄弟子』が、己が乳兄弟と共に国で恐ろしい?謀??をしているなど知る由もない]

伝言と祝辞、確かに受け取った……が。
ここにいるのは、あくまで『陽炎』……嵐激の騎竜師カーク・ヒッツェシュライアーだ、って事は。
頼むから、念頭に置いてくれ……あんまり広まると、『そっちの仕事』やり難くなる……。

[最後の部分は、イロイロと切実だった。
東方小国、中央との外交は文字通り身体張ってるんです]


精霊師 エレオノーレ

[カークの突っ込みにだってと唸りながら見上げ。
アプサラスが活けてくれる花をちょっぴり嬉しく思いながらも正直それどころではなく。
彼女が真っ赤になって挙動不審だったりドロシーのよくわからないがご無体な物言いは余計に羞恥を煽ったり。]

じ、自重って……

[でもってカークの物言いに、一体何しようとしてたのと言いたくなったが、墓穴を掘るというか聞いたらどツボに嵌まりそうな気がひしひしとして結局黙った。

ユーリエの突っ込みにはぴたりと動きを止めて、じぃと上目でカークを睨んでいたが、シーツに半ば隠れしょげるように垂れていた耳は、陰でこっそりぱたぱたと揺れた。
その意味は長年付き合いがある人しか読めないかもしれないが。]

ぅ…カリギュラ……

[だが恥ずかしい事には変わりなく。
傍に寄ってきた岩竜を、きゅうと抱きしめて顔を隠したりと色々誤魔化していたのだが、ラヴィが主だった人の正式な名を告げ祝辞を述べるのを聞けば、流石に少し驚いたように瞬いた。
可愛らしい風精の祝辞に何だか和みかけたが、一応従者。切実さは理解出来て彼と周囲をやや心配そうに見たりした。
カリギュラを抱きしめたままだったが。]


熱風の騎竜師 エディ & 兎精霊師 ラヴィ

[抱えてくれてるエディにもその事実は教えていなかったから。
え?とか、は?とか、目を丸くしていた、のだと思う。頭上でも。
こちらはこちらでドロシーの無邪気な声に笑顔が少し穏やかになったり。
ただカークがギリギリ口にしなかった言葉も容易に想像出来て。ククッと笑う]

大会中はしっかり誤魔化されましたよ。
気がつかなかった私も私ですけど。最後までそのまんまは悔しいので。

いいえ、私なんかまだまだ。
教わったやり方を真似てるだけですから。

[月影の精霊師は北の庵に居た間、数少なかった師匠以外の接触相手で。
会話だけでなく色々と薫陶を受けたりもした模様。
とはいえ、ここで意地悪をするのは主旨でない]

はい、ごめんなさい。
今回の武闘大会で準優勝したのは、嵐激の騎竜師カークさん。なんですよね。
さっきのは、今ここだけの内緒話。ねっ?

[ユウレンという国の大変さは、実感伴わなくても多少なりと知っている。
今ここにいる者達なら意味無く広めたりはしないだろうと思っての意趣返し。釘刺しされれば素直に頭を下げて謝った。
同意を求めるような最後の一言はドロシーに向けて。これできっと大丈夫、なはず]

そうだ、お菓子は無事?

「多分…ああ、大丈夫だ。
 はい、エレ。これでもっと元気になってくれな!」

[軽い口調で別の話題を持ち出せば、籠の中を確認したエディが笑って頷き。
薔薇の形のマドレーヌを一つ取り出すとエレオノーレに差し出した]

あの味には敵わないかもしれないけど…。
ううん、それ、美味しかったのよ!

[ふと、今回の騒ぎの原因の一人だった執事の顔を思い出したり。
でも今の状況で好きに作ってもらうわけにもいかないだろう。
苦笑すると首を振って、味もちゃんと確かめてきたからと太鼓判を押した]

カークさんの分もあるから。
ゆっくり食べてね。

[ちなみに、選びきれなくて幾つかあった味のを全部買ってきたから。
誰かや誰かがおねだりしてもきっと大丈夫。なはず]


風精 ドロシー

[今になってようやくみんなを見て手をぱたぱたふったりして。
そういえばカークのことを呼ぶラヴィの言葉やユーリエの言葉には、どうも聞きなれない言葉もあったなぁ。
なんて不思議に思ったり。]

へーか??

[もちろん意味はわかってない。
ちゃんじゃないので、お気に入りの呼び方というわけではないらしい。]

ラヴィに似てる??

[色々混じった。
そういえばカリギュラを抱きしめているエレオノーレとは、ちゃんと話したことがないと思い出して、とりあえずバッグから飴を取り出したのだった。]

う?内緒?
わかった!内緒にするね!
今までのこと、内緒!
あーれーも内緒!

[何について内緒にするのか、あんまり理解はしていない。
それからエレオノーレに、ポップな紙に包まれた飴を差し出して、自己紹介したりなんなり。
どちらにせよ、エディとラヴィのお見舞いを見れば、目がきらきら輝いて、遠慮なく欲しいほしいと言い出すのだった。]


嵐激の騎竜師 カーク

[上目に睨むエレオノーレの耳の動き。
僅かなそれにはぎりぎり気づいてはいたが、突っ込みを入れる余地はなかったとか。
エディの反応には、僅かに苦笑して見せたりしつつ]

……ったく、程ほどにしてくれよ?
あんなのが大量にいたら、やってられんぜ、ホントに……。

[真似てるだけ、というラヴィに大げさなため息をついて見せ。
続く謝罪と取り成しに、ああ、と言って頷いた。
無邪気なドロシーの様子には、ちょっとだけ、本当に大丈夫か、なんて思ったかも知れないが、それは表には出さず]

……菓子?
お、そいつはありがたいねぇ。
ここ数日、菓子とか食う所じゃなかった……。

[変わった話題に乗るのと、不自然なぐらつきを感じたのは、さて、どちらが先だったか。
無意識、がく、とその場に膝を突く]

っと……ああ、なんでも、ねぇ……よ。

[周囲にどうしたのかと問われたなら、ひらひらと手を振って誤魔化しを試みるものの、限界が近いのは感じていた。

不寝番、とまでは行かぬものの、眠る時はほぼ椅子での転寝、という状況。
何故その状況が続いていたかと言えば、結局はエレオノーレが心配だったからで。
彼女の目覚めに対するものと、ずっと蟠っていたものが解消できた事への安堵。
そして、今のちょっとした騒動が丸く収まりそう、と思った事で気が抜けて。

あらゆる意味で切れた緊張の糸は、それまで見て見ぬ振りを敢行していた疲労の堰をあっさりと決壊させ──結果]

……っ……。

[視界の歪みに、意識の歪みが重なる。
ぐらり、と身体が傾ぐのを感じた直後に視界に黒い幕が一気に落ち、そして。
意識の途絶えた身体はそのまま倒れ込む、ものの。

……六日振りの深い眠りに落ちるその表情は。
どことなく、ほっとしたような、穏やかなものだったとか。**]


見習い騎竜師ユーリエ&カリギュラ

[突っ込みに対する二人の反応をふふふとカークとエレオノーレを見比べつつ、ラヴィの言葉も聞いていたりして]

えへ…ま、私にとっては、師匠は師匠で、それ以上でもそれ以下でもないけれどね。

『グルァー(へたれでもな)』

「カーク・ヒッツェシュライアー」であろうが「キリク・フェオリバラム・ユウレン」であろうが、その人柄さえ好ましければ構わない。
師としては敬うが、「へーか」として敬うかはまた別ということだ。
なにせ最初の師、ギルバルスより聞いた”王”という存在の評価は高く険しいのだ。

カリギュラはエレオノーレに抱きしめられて嫌がる様子もなく、体調大丈夫?とでもいうように、身体をすりよせ、頬をぺろりとなめたりする。ちなみにお菓子と聞けばやはりエレオノーレにねだったりするわけだ。

そして疲れで倒れた師匠を心配半分、自業自得ですという思い半分にして、穏かな寝顔にはほっとしたりしつつ。]

ねぇ…アプサラス師匠…お姉様って…呼んじゃ駄目ですか?

[ぽかぽか暖かい心に素直にしたがって、緊張に頬を染めながらじっとアプサラスを見上げて、*お願いをした*]


精霊師 エレオノーレ

[カリギュラに擦り寄られれば、嬉しそうに頬をよせた。竜への身体接触は、騎竜師に許されていれば易い。カリギュラの場合は人徳ならぬ竜徳があったからか。

主だった人―ある意味今でも主だが―への周囲の反応がさして問題なさそうならほっとしつつ。
少し戸惑いながらもエディから薔薇色のマドレーヌを受け取ると、ありがとうございますと、小声ながらも礼はしっかり返した。
あの味云々は知らないままなので首を傾げたり。
ついで、ではないが先ほどの事を謝罪もしたりした。]

う、うん…内緒で……

[ドロシーの言動の内容に、不安がよぎりやや引きつりながら言うものの、差し出された飴は、一瞬きょとりした後でありがとうと柔らかい笑みと共に受け取った。
お見舞いの品を目を輝かせて見る様子は、かわいいなぁと思いながら。
篭の中のお菓子は、まずドロシーに好きなものを選ばせようと篭を見せた。そこにカリギュラが加われば賑やかにもなっただろう。
空に近くなるまで持って行かれても、その様子は微笑ましく見ていたのだが。]

カーク……?

[カークが急に倒れ込まれれば慌てて身を起こそうとするが、上手く力は入らずへたりと三度びベッドに沈み。
結局エディやらアプサラスやらユーリエら、手の空いてる人達に任せて自分はベットの中で大人しく心配そうに見つめていた。]


熱風の騎竜師 エディ & 兎精霊師 ラヴィ

いいなぁ。

[ユーリエがカークに向けた言葉には何かじーんとくるものがあったらしい。
小さく呟けば、エディの手が頭にぽふっと乗せられたりしたかもしれない。
アプサラスとのやりとりは横目に、微笑ましげな気分が顔に出た時もあったかも]

「や、こっちも悪かったからさ!」

[エレオノーレの謝罪に首を振るエディの横、同じようにふるふると首を振って頷いた。
あーれーも内緒、というドロシーにも頷きながらクスクスと笑う。
内密厳守、とはいかないかもしれないけれど、まあ。風の噂レベルで済む。はず]

6日間ずっとつきっきりだって聞いたもの。
カークさんだってお疲れでしょ。
多めに買ってきて良かった……って。大丈夫?

[膝を突くカークに問いかければ。正直な身体がその言葉を裏切って崩れていく]

あーあ、もう。
聞いたとおりに無茶する人なのね。
ああ、エレちゃんも無理しないの。

[隣へとカークを寝かせ直すのは、エディやアプサラス達におまかせして。
エレオノーレの枕横に移動すると宥めるようにぽふぽふ頭を*撫でた*]


風精 ドロシー

[まわりから不安に思われているなどと、子供に関係あるわけもないのだった。
むしろ悟ることもできないのだった。
それでもエレオノーレが飴を受け取ってくれればとっても嬉しそうに笑う。]

内緒よ、ぼくちゃんと内緒にする!
あのね!ぼくドロシーっていうの。よろしくね!

[ちゃんとご挨拶もしました。
最初に篭を見せてくれるのに、ものすごく目がきらきらした。]

いいの?いいの? 大好きー!

[にこーっと笑って、お菓子♪なんてカリギュラと一緒になってみたりして。
一応自重を知っているらしい風精であったが、つい釣られて多めにもらっちゃったりしたかもしれない。
が、カークが倒れたのに気付くと、きょとんとして。]

う?
カークおねむー?
おとなりで寝る!

[心配そうな顔をしつつ、運ぶ人のお手伝いといわんばかり。
風を使って、ちょっと移動を軽くさせたりはする。
特にカークは近いものだから、簡単にそういうこともできたりした。
お隣、というのはエレオノーレを見てから言ってみる。でもどうするかは運ぶ人次第。

それからラヴィがエレオノーレをぽふぽふするのを見て、おんなじようにぽふぽふして、ラヴィも一緒にぽふぽふ。]

みんな元気が良いね!
いたいのいたいの、とんでいけー、よ!

[にこにこと笑ってそんなことを言うのだった**]


精霊師 エレオノーレ

ドロシー、ね、よろしく可愛い風精さん。私はエレオノーレ
ええ、私はもう一つ頂いてるから

[直接手渡された薔薇のマドレーヌは取っておいて飴と共に枕辺に置き、それ以外は好きなようにと。
ドロシーとカリギュラが仲良く選ぶのを、可愛らしいお礼と素直な好意、こちらもつられて笑みながら見ていた。多くてもそこは小さい子らが優先。カリギュラも小さい子の部類に入っていたとか。

そして主が倒れれば今度はこっちも無理をしてしまい。
ぽふぽふとラヴィに撫で宥められ、しゅんと耳を垂らし。]

すみません……

[申し訳無さそうに見ていたら、ドロシーからもぽふぽふと。
笑顔にはなれなかったものの、少しだけ、苦笑は零れた。

そのうちジークムントがやってきて診察等を受けただろう。
しばらく眠れば問題ないとの事だが、手を伸ばしても届かない距離がもどかしく。
人気が無くなってからやっぱり無理をして、それでも負担がかからないよう注意しながら身を起こすと、ベッドの脇に立った。

どこか穏やかな寝顔に何と言えばよいのか。
負担をかけてしまった事への申し訳なさと、解消させることができた事への安堵が綯い交ぜで。なんとも言えない複雑な表情をしながら、癖のある髪を撫でるように触れた。]

……お互い様だよ。*ばぁか*


流麗の騎竜師 アプサラス

[挙動不審になった自分に対して自重したと叫ぶカークに、でも、と言いかけたのだが。
祝辞を述べたラヴィとドロシーに対する彼の反応に、はたり瞬きをした。

カリギュラがエレオノーレの元に行こうとするなら、離れ際にもう一度緩く撫で。
エレオがカリギュラを抱きしめながら不安げにしているのに気付けば、安心されるようにと微笑みを向けた。
ラヴィがここだけの話と念を押すのを見ると、そちらにも笑顔で頷いてみせて。
エディとラヴィがお見舞いといって出したお菓子に話題が移ったのをみて微笑んだものの。]

カークさん…!?

……あら……まぁ、それはそうよねぇ…
6日間ほとんど寝てみえなかったんだもの、安心して気が抜けたらこうなるわよねぇ。

あぁ、心配しなくて大丈夫よエレオノーレさん。
カークさん、安心したせいで眠気が一気にきただけだと思うから。
貴女も6日間も眠ってみえたのよ?無理はしちゃダメ。
身体に力が入らないでしょう、まだしばらくは横になっていた方が良いわ。

[話している最中いきなり倒れたカークに驚き駆け寄ったものの、穏やかな顔で寝息を立てているのを見て苦笑が零れた。
心配そうに見ているエレオに笑顔を向けて、無理をしないようにと声をかけた。
ドロシーの力も借りて付き添い用のベッドにカークを寝かせ、お見舞いのお菓子を嬉しそうに選ぶドロシーやカリギュラの様子を微笑ましげに見て。
自分はそろそろおいとましてジークを呼んでこようかと考えていたところにユーリエに呼ばれた。]

なぁに、ユーリエちゃん?

まぁ…ううん、全然ダメなんてことない。
そう呼んでくれるなんて嬉しいわ。
ありがとう。

[どうかしたかと首を傾げたところで問われた言葉にきょと、と瞬きをした後。
嬉しそうに微笑んでユーリエの髪を柔らかく撫でた。

それから改めてエレオノーレの部屋から退室した後、ジークムントに彼女が目覚めた旨を伝えに行ったのだが。
恥ずかしそうな、それでいて嬉しそうな表情をしているのが彼には伝わったろう。**]