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   鳴けない、飛べない、ガラクタ鳥

「て、い、う、か、だ、な」
 緋色の柄糸の美しい刀を握り締めつつ、樫村は低く、低くこう呟いた。
「な〜にかな〜?」
 妙に念のこもったその声に、麻生はお気楽なままこう返す。
「なぁんで、てめぇは、いつも」
「うん」
「……こんな厄介な事ばっかり持ち込んできやがるーっ!?」
 低い呟きから一転、絶叫。それに、麻生はあはは、と笑ってみせた。
「笑い事か、くぉのばかやろぉぉぉぉぉぉっ!!」
 少なくとも、悠長に漫才をしてる場合ではない。多分。
 彼らの目の前には、廃材を寄せ集めて作られたとおぼしき巨大な鳥が、キィ
キィと軋むような音を立てつつ羽ばたいているのだから。

 山間の小さな集落に診療所を構える医師・樫村秀一と、神出鬼没のフリーラ
イター・矢守麻生。彼らは、一般的には中学以来の腐れ縁コンビとして知られ
ている。そしてそれぞれの同業者たちには、『凄腕だが変人』という認識を広
く持たれていた。
 言うまでもなく、面と向かって言おうものなら殴り倒されるが。
 その一方で、彼らを特別な二つ名で呼ぶ者たちがいる。その者たちは二人を
『緋龍の呪術医』、『光輝の闇剣士』と呼び、最強クラスの退魔師として恐れ、
敬っていた。
 勿論、当人たちはそんな畏怖の念など全く気にも留めていないのだが。
 それはさておき。
 そんな、一部にやたらと有名な彼らは今、異様な空間にいた。人の通いそう
にない、山奥の崖の下。そこには本来あり得ない──いや、あってはならない
ものが散乱していた。
 型の古い家電製品や、壊れた家具。廃材とおぼしきコンクリートに不自然な
土砂。それらは、ここが不法投棄物の溜まり場であると端的に物語っている。
 そして、それらの廃棄物は一つ一つがぼんやりとした光を放ち、暗いはずの
夜の森を照らしている。その中央に、廃材の鳥がいた。
「いやはや、まさか、こんなのがいるとはオレも思わなくてさ〜」
 廃材の鳥との距離を測りつつ、口調だけは軽く麻生が言う。
 二人がここを訪れたきっかけは、麻生の所に届いた一通のメールだった。怪
奇現象に関するコラムやエッセイの連載を多数持つ麻生の所には、身近な怪奇
現象に関する情報が日々送られてくる。大抵は見間違いや単純な自然現象なの
だが、時に、どうにも説明のつかない現象の情報も入ってくるのだ。
 一週間前に届いたというそのメールの内容は、夜の山道で巨大な機械の鳥を
見た、という突拍子もないものだった。が、その後複数の相手から同じ物を見
た、という情報が寄せられたらしい。
「こうも続くと、さすがに無視できないしね〜」
 樫村の診療所を訪れた時、麻生は口調だけは軽くこう言った。だが、その目
はいつになく真剣だったため、樫村も協力を承諾したのだが。
「つーか、麻生」
 刀を正眼に構えつつ、樫村は横目で麻生を睨む。
「なに?」
「お前、ある程度は読んでたろ、この状況?」
「え? 何の事?」
 低い問いかけに麻生はしれっとこう返してきた。樫村は表情を険しくしつつ、
一つ息を吐く。
「特上吟醸酒、五本で手ぇ打ってやる」
「え……それって、かなりの出費なんだけど」
「このゴミの山、それなりのとこに売ればチャラになるだけ儲かんだろ」
「うわっ……読まれてるしっ」
「読めいでか」
 きっぱりと言い切った直後に、樫村はばっと後ろに飛びずさる。麻生も横っ
飛びにそこを離れた。わずかに遅れて、二人がそれまでいた所に尖った金属片
が突き刺さる。その形は、鳥の羽を容易に思い起こさせた。
「まぁ、とにかくさ」
 左手の上に右手を重ねるようにして組み合わせつつ、軽い口調で麻生は言う。
「それは、コレを何とかしてから考えるってコトでさ」
「心配すんな、請求書お前に回してこっちで手配する」
「がんっ! 秀一っつぁん、それ、きったね!」
「安心しろ、物の分くらいは……」
 言いつつ、樫村はポケットから札を抜き出す。
「ちゃんと、仕事してやっからよ!」
「でなきゃ、オレが困るってば!」
 妙な余裕を交えた言葉を交わしつつ、樫村は札を投げ、麻生は左手と右手を
離す。
「……雷符!」
「具象せよ、聖らなる闇の剣!」
 鋭い声が夜の静寂を裂いて響いた。直後に雷光と、その輝きを受けて煌めく
漆黒の剣が闇を裂く。それらは廃材の鳥が羽ばたいて飛ばした金属片を叩き落
し、雷光は更に鳥そのものにも影響を与えた。
 ギゲゲゲゲっ!
 奇声が響き、鳥が苦しげに羽ばたく。やはりと言うか、身体の大半を金属で
構築しているため雷のダメージは大きいらしい。
「さすがに、良く効くねぇ」
 その様子に、麻生が妙にしみじみとこう呟いた。
「効かなかったら、水かけるつもりだったがな。で?」
 さらりと返しつつ、樫村は横目で麻生を見る。
「で、って?」
 きょとん、と瞬きながら麻生が問い、その直後にびし!という鈍い音が響い
た。
「あんまボケてっと、オレは帰るぞ」
 不意をついた裏拳で麻生に突っ込みを入れた樫村は、淡々とこう言った。
「……カワイイお茶目でしょうに、もう……」
「ボケと茶目は、時と場合に要相談、だ」
 細々と訴える言葉を一言で切り捨てつつ、樫村は廃材の鳥を見る。廃材の鳥
はばさばさと羽ばたくだけで、何か行動を起こす様子もない。雷撃によるダメ
ージが大きいのだろうか。
「……このトリが何をしたいのか、それが問題なんだよね。潰すのは多分、簡
単だけど」
 不意に、麻生がこんな呟きを漏らした。
「なんだって、こんなナリになったのか、確かめるってか?」
「一応はね」
「……メンドくせぇな……」
 深くため息をつきつつ、樫村はぐるりと周囲を見回す。そんな樫村の様子に、
麻生はそう言わないで、と苦笑する。
「原因は、このゴミ山だろうけどな」
「それはそうだろうけど、そこからどういう経緯でこうなったのか、がポイン
ト」
 こう言った直後に、麻生は手にした剣を横に薙いだ。樫村も札を投げ、突風
を発生させる。漆黒の剣の一閃と生み出された風が、廃材の鳥が放った金属片
を叩き落した。
「ま、転がってるガラクタとトリに関わりあるようには見えねぇな」
「そうなんだよねぇ……」
「取りあえず、一度潰すか?」
「このままじゃ、原因も確かめられないし、ね……」
 さらりと投げた問いに、麻生はため息と共にこう答えた。
「確かめて……ね。問答無用で祓っちまった方が、いいんじゃねぇのか?」
「それだと、繰り返す可能性もあるからさ。根本から解決しないと」
「……事の根幹は、どーしよーもねーだろーが」
 大げさなため息と共に樫村はこう言いきり、麻生はあはは、と乾いた声で笑
う。
 事の根幹──大元の原因が不法投棄にあるのは明らかであり、それは一朝一
夕に解決できる問題ではない。それは、麻生の方が良くわかっているはずだ。
 『自然の調和をあるべき様に保つ』という役割を生まれながらに持って──
もとい、押し付けられている麻生は、水面下でこうした投棄や汚染を食い止め
るための活動を支援している。が、その活動は思うようには進んでいないらし
い。
 もっとも、そんな麻生の苦労も樫村に言わせると、
「一人で無駄に苦労してる」
 の一言で斬り捨てられてしまうのだが。
「まぁ、それはそれとしてさ、まずはこの場を治めるってコトで」
 一しきり笑った麻生は、廃材の鳥を見やりつつこう言った。
「それには、同意だな……右、任すぞ」
 対する樫村はがじがじと頭を掻きつつ短く言う。
「了解。左はよろしくっ!」
 それに、麻生はにっと笑ってこう返し、直後に二人は左右に散った。
 ギゲっ!?
 素早い動きに、廃材の鳥が困惑したような声を上げる。
「そらよっ!」
「せいっ!」
 短い気合と共に、白刃と黒い剣が美しく孤を描いた。廃材の鳥の左右側面を
取った二人が、手にした刃を振るったのだ。それらは大きく広げられた鳥の翼
を的確に捉え、斬り落とす。
 グギギギギギっ!
 廃材の鳥が絶叫する、その声に重ねてガシャアンっ!という金属音が響く。
斬り落とされた翼は金属片や歯車、バネを撒き散らしつつ茶色く立ち枯れた草
の上に転がった。
「よっし!」
 麻生が短く声を上げる。翼を落とした事で向こうの攻撃は封じる事ができた
──そう、思った直後に、ギジキシ、ガキガキ、という音が響いた。
「なんだ?」
 廃材の鳥の声とは異なる物音に、樫村は眉を寄せつつ低く呟く。その間にも
ギシギシ、ガキガキ、という音は響き、やがて、鳥の身体が大きく震えた。翼
の斬り落とされた断面に光が走り、突然、鉄骨のようなものが突き出してくる。
「な、なんだなんだ!?」
 唐突な出来事に戸惑ったのか、麻生がとぼけた声を上げる。樫村は廃材の鳥
に厳しい視線を投げかけつつ、手にした刀を握り直した。
 その間にも、鳥の身体からは様々な物が突き出していた。金属製のフレーム
の断片らしきものや、金網の支柱など、その種類は様々だ。廃材の鳥は突き出
したそれらを、翼を羽ばたかせるようにガシャガシャと動かしている。
 ギゲ、グギゲェェ……
 廃材の鳥が声を上げる。妙に悲痛に響くその声に樫村はわずかに、麻生はは
っきりそれとわかるほどに眉をひそめた。
「鳴けねえ、飛べねえ、機械仕掛けのガラクタ鳥……ってか? うざってえっ
つの」
「秀一っつぁん……そこまで」
 低く吐き捨てる樫村に、麻生はほんの一瞬呆れ顔になってこう言った。それ
を、樫村は真理だ、の一言で切り捨ててしまう。
「ま、そりゃそうかも知れないけどさ……で、どーするの?」
「それは、オレじゃなくて、お前が考える事だろーが」
 厄介事を持ち込んだのはそっちだろ、と言い切ると、麻生はあはは、と乾い
た声で笑う。
「笑い事か」
 笑って誤魔化そうとする所にざっくりと斬り込んでおいてから、樫村は改め
て廃材の鳥を見た。
(出来損ないのつくも神の類かとも思ったが……そういうモンでもなさそうだ
な、こりゃ)
 最初にこの鳥を見た時は、物にこもった念が力となり、意思を持った存在か
と思ったのだが、どうもそうではないらしい。ただ、ここに投棄された廃棄物
たちが、何者かの念を受けてこの形をとっているのは間違いないだろう。
(ま、ナリからして、トリの類なんだろうが……)
 冷静に分析しつつ樫村は鳥を観察し、ふとある事に気がついた。
(このトリ……身体が半端なのか?)
 最初は気づかなかったのだが、腹から脚にかけてに相当する部分がない。ち
ら、と見やると、様々なコードで構築された尾羽は、周囲の家電製品に繋がっ
ていた。どうやら、そこからなんらかの力の供給を受けているらしい。
「麻生」
「ほいよ」
 短く名を呼ぶと、麻生はこれまた短く返事をする。その視線は樫村と同じ所
に向けられていた。つまり、尾のコードに。それから、二人はほんの一瞬視線
を交わし──同時に、動いた。麻生は廃材の鳥の後ろに、樫村は前に、それぞ
れ一度の跳躍で移動する。
 ゲゲっ!
 二人の唐突な動きに鳥は奇声を上げ、それまでだらん、としていた尾のコー
ドが突然うごめき始めた。
「いやはや……わかり易い事で!」
 その動きに、麻生が苦笑めいた面持ちで呟く。樫村はポケットから札を二枚
取り出して鳥へと投げた。
「樹縛!」
 短い言葉と共に澄んだ緑の光が弾け、その光に照らされた鳥の周囲の草がざ
わめいた。茶色く立ち枯れていた草が突然伸び始め、それは廃材の鳥に絡み付
いて縛となる。
 ギゲっ!?
「も〜らいっと!」
 鳥の奇声と、麻生のお気楽な声が重なって響く。
 黒い剣が一閃し、コードの尾を切り払った。バチン、という音が弾け、廃材
の鳥が痙攣する。
「秀一っつぁん!」
「わーってら!」
 短いやり取りを経て、樫村が一気に距離を詰める。
「ガラクタん中から出てきやがれ!」
 鋭い声と共に刃が舞う。緋色の房飾りがふわりと揺れ、そして。
 ギシャギェエエエエエ!
 絶叫の直後に、鳥の首が夜空へ飛んだ。
 その直前まで激しく動いていた鉄骨や廃材が、がしゃ……という音と共に力
なく垂れ下がる。
 静寂。
 ただ、それだけが空間に張り詰める。
 周囲の廃棄物が放っていた光も消え、辺りは急に暗くなった。
 何も動かず、何の音もない。夜風のそよぎも、いつかその息を潜めていた。
「……秀一っつぁん……」
 重苦しい沈黙に耐えかねたように、麻生が声を上げる。それを、樫村は静か
にしろ、と短く押しとどめた。
 ……ピンっ……
 静寂を破り、甲高い音が微かに響く。金属片を弾いたような、澄んだ音だ。
音は様々な音階に変化しつつ、一定のペースで響いてくる。だいぶスローテン
ポではあるが、何かの音楽のようだ。そしてその音は、廃材の鳥の中から聞こ
えてくる。
「なんだと思う?」
「オルゴールの音に、明日の昼飯」
「……晴一んとこの、日替わり定食」
「ああっ、せめて神龍亭のつけ麺セット!」
 かなり状況からずれた会話をしつつ、二人は廃材の鳥に近づく。麻生が小声
で何か呟くと、空中に小さな光の球が浮かび上がって周囲をぼんやりと照らし
た。
 金属音は、まだ響いている。
 樫村は廃材の鳥の首を飛ばした断面に刀の刃をあて、峰に右手を添えた。そ
の状態で軽く力を加えると、鳥の身体は呆気なく崩れ落ちる。この鳥を構築し
ていた力の残滓を、全て吸収したのだ。
「……これって……」
 崩れ落ちた鳥の中から現れた物に、麻生が眉を寄せる。
「オルゴールと鳥の巣、か」
 その場に膝を突きつつ、樫村は低く呟いた。
 廃材の鳥が崩れた後にあったのは、古びたオルゴールと小さな鳥の巣。そし
てその二つに挟まれた鳥のミイラだった。オルゴールは今にも途切れそうな旋
律を紡ぎだしている。鳥のミイラの下には、卵らしき物がわずかに見て取れた。
「どーやら、ゴミ捨てされた時に巣を落とされて……タマゴ守るのに、てめー
がゴミに潰されたらしーな、このトリ」
「そういう、ミもフタもない言い方はどうかと」
「逐一センチになる事か」
 一理ある。
「んで、どーする?」
「どうしようか?」
「……」
 樫村の問いに麻生はお気楽な口調で返し、直後に向けられた冷たい視線に、
じょーだんじょーだん、と言いつつぱたぱたと手を振った。樫村は麻生を睨ん
でからそっとオルゴールを脇に避け、続けて鳥のミイラを無地の札の上に掬い
上げるようにして巣の上からどける。
「このタマゴ……生きてる」
 巣を覗き込んだ麻生が小さく呟いた。巣の中には白く小さな卵が三つ、身を
寄せ合うようにして並んでいる。麻生の呟きに、樫村はやれやれ、とため息を
ついた。
「親鳥の念が、タマゴを守ってた……ってトコか」
「と、なると、このオルゴールは……」
「念のこもる依り代になってたんだろ。で、こもった念がタマゴを守るって方
向にだけ突き抜けて、周りのゴミに作用した……ってトコだな」
「下半身が半端だったのは、タマゴを温める姿勢の再現、か。家電から充電し
てたのは、保温のための動力確保だったのかな?」
 周囲を見回しつつ麻生が漏らした呟きに、樫村は投げやりな口調でだろうな、
と返す。
「んで、これ以上ゴミを投げ込まれちゃヤバイとは思っても、てめえは動けね
えから……これを使って自分の姿映して、山道走るドライバーどもをビビらせ
ようとしてたみてーだな」
 言いつつ、樫村は足元に転がっていた物──型の古い映写機を爪先でつつい
た。
「それが、オレのとこに来たメールの、化け物鳥の正体な訳か……手の込んだ
事するもんだ」
「手の込みようは認めてやってもいいが……そうまでして守ったってな、テメ
ーで出口を塞いじまってたら、イミなんかねーんだっつーの。ガキの意見、聞
いてからやれってんだ」
「それは……かなり、厳しいと思うけど」
 吐き捨てるような樫村の言葉に、麻生は苦笑しつつこう言った。樫村はそれ
には答えず、鳥のミイラの上に刀をかざす。刃を乗せてほんの少し力をかける
と、鳥のミイラは淡い色の光を放って崩れ落ちた。
 崩れた屍は塵となって夜風に舞い散り、それまで無地だった札の上には翼を
広げた鳥の姿が描かれる。それと共に、周囲の張り詰めた空気が薄れ、それを
感じとった麻生は手にした剣を軽く振った。
 光が弾け、漆黒の剣が消え失せる。直後に、麻生の手のひらに剣の形の痣が
すっと浮かび上がった。
「さて、と。こいつと、このオルゴールは瑞穂に供養させる。んで、このタマ
ゴは?」
 札をポケットに押し込み、刀を鞘に収めつつ、樫村は麻生に問う。
「妙に、念とかこもってそうだしなぁ……取りあえず、沙姫に預けるよ」
 問いに答えた麻生は卵を巣ごと拾い上げた。樫村は勝手にしろ、と言って周
囲を見回し、ばりばりと頭を書く。
「じゃ、これで片付いたな」
 ため息まじりの呟きに、麻生はああ、と頷いて立ち上がる。
「じゃ、帰るか……んじゃ、払いお前で吟醸酒十本、注文しとくからな。払え
よ」
「え? って、さっきは五本って!?」
 さらりと告げられた言葉に、麻生はぎょっとしたように大声を上げた。ある
意味、当然と言えるだろうが。
「追加の五本は、瑞穂に払う供養代だ」
「ひっでぇ〜!! そんなのアリかよ、秀一っつぁん!」
「アリだ」
 情けない声を上げる麻生にきっぱりと言い切ると、樫村はさっさと歩き出す。
 その手の中で歌い続けていたオルゴールが、ピンっ……という音を放って、
そのまま沈黙した。

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突発性競作企画第12弾〜機械仕掛け