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☆キャラクター☆

  
 ・シーラ 100
 本編の主人公。辺境の街シェルナグアにある、精霊神レイフェリアの神殿
に併設された孤児院で育った少女。十六歳。陽光を思わせる金髪と、碧玉色
の瞳が印象的。幼馴染のリックとフィアルの誓い(婚約の事)を交わした直
後に何者かに狙われ、住みなれた地を離れる事になる。
 逃避行の最中にリックと生き別れ、自らの出自を知る男・ユーリに保護さ
れた彼女は、自分が何者であるのか確かめるべく、死の砂漠の古代都市・エ
デンを目指して旅立つ事に……。
  
 ・リック
 シーラと共に孤児院で育った少年。十六歳。大陸でも珍しい黒髪と黒い瞳
の持ち主で、長めに伸ばしたくせの強い前髪と、額に巻いた空色のバンダナ
がトレードマーク。幼い頃からシーラと共にあり、街の者に『シーラちゃん
の騎士様』と称されるほど、彼女を想っていた。シーラにフィアナ石のペン
ダントを贈り、フィアルの誓いを交わすも、謎の一団からシーラを護るべく
孤軍奮闘。そのまま生死不明となる……。
 
 ・ゼオ
 黒き翼の『守護者』ゼオ・ラーヴァと名乗る謎の少年。黒衣を身にまとい
その背には時折、漆黒の翼が姿を見せる。顔、声、共に行方不明のリックに
瓜二つ。しかし、その気質は冷静、冷徹であり、どちらかというと熱血漢の
リックとはまるで正反対。唯一、シーラの身を守るためなら手段を選ばない
点のみ、共通しているが。
  
 ・ユーリ
 旋風のユーリの名で知られる冒険家。前人未到の死の砂漠に挑み、その都度
生還を果たし続ける唯一の男。三十九歳。風の精霊の加護を生まれながらに受
けており、その力と持ち前のバイタリティで二十五年前の戦乱を仲間たちと共
に生き延びた。十六年前、伝説の古代都市エデンに挑んだ際に仲間たちを失い、
現在はフリーで遺跡探索をしている。両手持ちの大剣を、時に片手で振りまわ
す豪快な人物。
  
 ・レイヴィーナ
 グラルシェの街に住む占い師。二十九歳。雷精を自在に操り、雷光のレヴィ
の二つ名を持つ魔導師としても有名。ユーリの冒険仲間だったレッドの妹で、
現在はユーリと同棲状態にある。もっとも、本人は彼との関係を「単なる腐れ
縁」と称しているのだが……。
 非常にあっけらかん、とした、気のいい姐御肌の女性。
  
 ・ラヴェイト・アウルス
 大陸にその名を知られた治癒術師集団・フィルスレイム派に所属する若き治
癒術師。二十二歳。かつてユーリと共に冒険し、今は央都賢人議会の議長を務
めるドゥラ・ヴァスキスの一人息子だが、父とは絶縁状態にある。エデンから
の生還後、父が豹変した理由を求めてユーリの元を訪れ、古代都市への探索に
加わる事に。非常に生真面目な質をしており、それ故に行動が空回りする事も
ある。ちなみに治癒術師としての能力は非常に高く、流派の奥義・秘技と呼ば
れる技の全てを体得している。
  
 ・ルフォス・アウルス
 辺境の街・シェルナグアで精霊神の教えを広める司祭で、シーラ、リックの
育ての親。四十五歳。央都の大神殿で祭祀を取り仕切る大司祭の家系・アウル
ス家の跡取りでありながら、政教一体の有り方に疑問を感じて央都を離れ、辺
境の地で自らの信じる布教を行っている。
 ちなみにラヴェイトの母・シェラーナの兄であり、彼の伯父に当たる。
  
 ・バルク
 岩砕のバルクの異名を取った怪力の戦士。ユーリとは幼馴染で共に戦乱とそ
の後の混乱を生き延びた。レッド曰く「気はやさしくて力持ち、ガタイでかく
て度胸なし」と称されるほど、気の弱い一面があった。また、戦乱で命を落と
したユーリの妹ユリナとは仲が良く、周りにしょっちゅうからかわれていた。
 ユーリたちと共に古代都市エデンに挑むも、到達直後に錯乱し、そのまま行
方知れずとなっていたのだが……あとは、本文参照のこと。
  
 ・レッド
 爆炎のレッドの異名を取った魔法戦士。レイヴィーナの兄。ユーリとは昔か
らライバル関係にあった。生まれつき強い魔力を持ち、炎の上位精霊すら容易
く従え、時には火炎の精霊王イフリートそのものから力を引き出す事すらでき
た。皮肉屋の突っ込み魔人だが、戦乱で両親を失い、唯一の肉親となった妹・
レイヴィーナの事となると口やかましかった。
 ユーリたちと共に古代都市に挑み、最深部近辺まで到達するも、トラップに
よってユーリとはぐれてしまう。その生死は不明。
  
 ・ドゥラ・ヴァスキス
 央都賢人議会議長を勤めるラヴェイトの父。四十二歳。かつては碧水のドゥ
ラの名で知られ、水の精霊の愛し子とも称された。古代都市エデンで行方知れ
ずになり、その生存が絶望視された直後に奇跡の生還を遂げる。しかし、帰っ
てきた彼は以前とは別人とも思える、冷酷な人間になっていた。
 子飼いの暗殺者を使ってシーラを狙うその真意は何か、古代都市で何があっ
たのか…それは今後の展開にて。
  
 ・ギル・ノーヴァ
 灰翼の『調律者』を名乗る謎の人物。複雑な紋様の刻まれた仮面を常につけ
ているため、その正体は不明。その物言いと、炎の精霊魔法を巧みに操るとこ
ろに、ユーリやラヴェイトはある人物との共通項を見出しているらしいが、果
たして……。

☆世界設定☆

  
 ・大陸概要
 中央に広がる死の砂漠によって、東西に分断された大陸。東西の間に交流は
なく、外洋航海技術の発達が遅れている事から、他の大陸の有無についても、
はっきりした事はわかってはいない。
 本編の舞台となるのは東部地域と砂漠地帯。この東部地域は、かつては狂王
と称された一人の独裁者によって支配されていた。が、二十五年前にその圧政
に反対する者が勢力を結集。反乱を起こして狂王を討ち取って以来、賢人議会
と呼ばれる議会によって統治される民主制が導入された。
 現在は央都と呼ばれる平原の大都市を中心として、非常に穏やかな日々を送
っている。
 一方の死の砂漠は前人未到の地と呼ばれ、ここに入って帰ってきた者は基本
的に存在しない。唯一、その常識に当てはまらないのが旋風のユーリ、その人
である。
 元々この砂漠一帯は非常に肥沃な土地であり、精霊の強い加護を受けていた
らしい。古代都市エデンはその中央にあり、非常に発達した文明と、高い魔法
技術を擁していた……という説がある。
  
 ・精霊神信仰
 東部において主神として信仰されているのが精霊神レイフェリア。純白の翼
を持った美しい女神として描かれている。央都においては神殿と司祭は議会に
よって保護されており、政治的にも強い権限を持っている。反面、央都の司祭
の中には自らの立場を履き違えている感のある者も多く、ルフォスは一向に改
善されないその気質と神殿の在り方に疑問を覚え、次代の大司祭の地位を捨て
て辺境のシェルナグアに移り住んだらしい。
  
 ・フィルスレイム流治癒術
 大陸にその名を知られる治癒術の流派。一説によると、西部にもその分派が
あるらしい。生命体が持つ『生命波』を読み取り、それに干渉する事で対象の
治癒能力を高めて傷を癒す。非営利集団として知られており、治癒に喜捨を求
める央都の神殿とは犬猿の仲。
 ラヴェイトは十一歳の時にここに入門し、非常に高い能力を発揮している。
奥義・秘技を含めた全ての技術を修めた彼を次代の大導師に、と推す声は多い
が本人は経験の不足と人間的な未熟さを理由にそれを辞退している。
  
 ・エレメント・フォース
 かつて、世界一の無謀集団と呼ばれた冒険家のチーム名。メンバー全員が、
精霊の加護を受けていた事からこう呼ばれていた。メンバーは旋風のユーリ、
爆炎のレッド、碧水のドゥラ、岩砕のバルクの四人。
 十六年前に古代都市エデンに挑戦。しかし、バルクとレッドは古代都市で消
息を絶ち、ドゥラも、生還後は人が変わったように冷酷になってしまい、唯一、
ユーリだけが今でも冒険家を続けている。

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