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  ・世界設定
 大海に浮かぶ島々の全てが根無しの浮島という、特異な組成を持つ世界。そ
の組成故に『浮島世界』と呼ばれている。人が生活している島は全て海底に鎖
で固定されているため、潮流に流されるという事はない。
 一つの島には必ず竜使いの一族と守護神、それに仕える巫女が存在し、それ
ぞれが『守り手』としての役割を持っている。
 技術レベルは比較的高く、ガラスの生成や植物繊維を用いた紙漉きなどは当
り前に行われている。ただ、大型船による外洋航海は禁忌とされており、島か
ら島への移動は一部の力あるのみが可能となっている。

  ・竜使い
 浮島世界において、最も力ある幻獣・竜と心を通わせ、その力を行使する能
力を持つ者の総称。一つの島には必ず竜使いの一族が存在しており、魔獣や、
悪意ある来訪者から島を守っている。

  ・魔導師
 世界を構築する最小単位である万有物質・マナに自らの魔力で干渉し、マナ
の配列を変える事で精霊に干渉。その力を行使して様々な魔法を扱える者の総
称。基本的には外界との接触を拒み、『魔導師の谷』と呼ばれる隠れ里で細々
と研究の日々を送っている。

  ・守護神
 一つの島に必ず存在し、人々を守るとされる存在。その実態は不詳。

  ・巫女
 守護神によって選ばれる、島の祭祀を司る女性。守護神を介して精霊に干渉
し、波を静めたり、傷を癒したりといった簡単な魔法を使う事ができる。

  ・彷徨い人・流れ者
 文字通り、島々を流離う者たちの総称。島を守る任に就かない竜使いや、知
識を求める魔導師たちが島を離れて旅をはじめるとこう称されるようになる。
はぐれ者のような印象があるがさにあらんや、実は非常に重要な存在。彼らが
訪れる事で遠方の知識が伝えられ、また、彼らが子種を残して行く事によって
血族婚による種族の衰退が押さえられるなど、島々が閉鎖された浮島世界では
なくてはならない存在なのである。

  ・竜
 かつては魔獣として恐れられたものたち。が、五百年前に竜使いの開祖・ル
ディによって共存する術がもたらされて以来、世界を守るものとして認識され
ている。全部で十八種類が存在。
 【地属性】…地竜、岩竜、砂竜の三種類。頑健かつ強靭な身体を持つ種族。
       主食として岩を食べ、サンドブレスを吐く能力を持つ。全体的
       に温厚な気質を持つ事で知られる。鱗の色は褐色系がメイン。
       基本的に四足の歩行種だが、砂竜だけは細長い身体に皮膜の翼
       を備えた飛行種。
 【水属性】…水竜、湖竜、海竜の三種類。最も水中行動能力に長け、また、
       最も巨大になりやすい種族。主食は魚介類で、アクアブレスを
       吐く能力を持つ。海竜はやや荒い気質を持つものの、比較的、
       温厚。鱗の色は水竜と湖竜が青系で、海竜は漆黒。水竜のみ、
       いわゆる東洋的な『龍』に良く似た容姿をしているが基本的に
       水中種で飛行能力は無い。湖竜と海竜は足の代わりにヒレを備
       えている。
 【火属性】…火竜、焔竜、戦竜の三種類。体型的には標準的だが、最も高い
       戦闘能力を備えた種族。基本的に雑食だが、炎そのものを食べ
       る事もある。フレイムブレスの能力があるのは言うまでもない。
       気質は総じて荒く、中々扱い難い属性とされている。赤系の鱗
       を持ち、中でも戦竜は鮮やかなローズレッドの鱗を持つ。基本
       的に四足の歩行種だが、戦竜のみ巨大な皮膜翼を持ち、飛行が
       可能。
 【風属性】…風竜、雷竜、嵐竜の三種類。全てが飛行能力を備え、非常に俊
       敏な動きをする種族。基本的に雑食だが、主食は植物。ブレス
       能力は雷竜以外持たないが、巨大な翼で起こすウィングストー
       ムは強烈。雷竜のみ、雷光によるライトニングブレスの能力を
       持つ。気質は総じて温厚だが、束縛され続けるとストレスを感
       じて暴れる事もある。風竜は緑系、雷竜は紫系、嵐竜は紺系と
       三種それぞれが異なる鱗の色を持つ。三種全てが飛行種であり、
       中でも嵐竜の飛行・空戦能力は群を抜いて高い。
 【光属性】…光竜、聖竜、輝竜の三種類。総じて小型種で、魔法的な能力が
       高いのが特徴。草食性で、果実や花の蜜を好んで食べる。聖竜
       のみ閃光を放つフラッシュブレスの能力を持つ。非常に温厚、
       というか臆病。そのわりに好奇心は旺盛。光竜は淡い金色、聖
       竜は銀色の鱗を持ち、輝竜は鱗ではなく純白の羽毛を持つ事か
       ら鳥竜種と呼ばれている。全てが飛行種だが、長距離を飛ぶの
       は身体的に苦手らしい。
 【闇属性】…闇竜、魔竜、影竜の三種類。総じて中型種だが、影竜はその潜
       在能力に応じて成長限界が変わると言われている。絶対数が少
       ない希少属性でもあり、最もその能力が把握されていない。雑
       食性だが、嗜好は比較的光属性に近い。闇の霧を吐くダークブ
       レスの能力を持つ。気質は総じて荒いが、同時に理知的な側面
       も持ち合わせている。闇竜と魔竜は漆黒の鱗を持ち、影竜は漆
       黒の羽毛に包まれた鳥竜種。元は全て飛行種だったらしいが、
       闇竜は翼が退化しており、飛行能力は無い。

  ・祖竜
 全ての竜の祖にしてそれらを統べると言われる、始源の存在。地竜ダルシェ
ーヌ、水竜ルオディア、火竜バーディウス、風竜ヴェルナード、光竜リュライ
クス、そして闇竜シェルヴェスの六竜をこう称している。
 もっとも、祖竜たちはみな、それぞれの聖域のある島の中で眠りにつき、聖
域の守人を務める竜使いの一族以外には、ほとんどその存在を知られてはいな
いのだが。
 

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