――ふわり、と風が吹きぬけて―― あれ? そういやここってどこだっけ? ……あれ? そういやどこにいくんだっけ? ……なんだかよくわかんなくてただぼくはたちつくしてる…… ――ひらり、と風が吹きぬけて―― そう ぼくは何かを目指してた ……そう ぼくは何かを探してたんだ ……でもそれがなんだかわかんなくてけっきょくたちつくしてるだけ…… どこへいこう なにをしよう そもそも……ぼくってなんだっけ? ――ぼんやりと立ち尽くすぼくの中をかぜが微笑いながらながれてく―― ――そんなの、見ればわかるじゃないって微笑ってる……―― ああ……そうか ぼくは『ぼく』という存在 たとえ誰が認めなくても誰が文句を言っても ぼくという存在は……ぼくとしてここにある ……そう……だよね? ――風が、ふわりと包み込んで―― ぼくは大事なことをたくさん思い出した |