─Geschichte von Klarheit─
村関連SS置き場/蒼天輪舞/ユウレン王宮にて
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#navi(村関連SS置き場) 「月影の精霊師」 作:tasuku 月影の精霊師 メルヒオル ─ユウレン王宮─ ……む。 [机の上には木の占術符。 めくったそれが示すものに、ユウレンの宮廷精霊師は短く声を上げた。 肩と、頭の上に乗った小鳥がぴぃ? と鳴いて首を傾げる] ふむ……ついにやらかしやがった、というべきか。 それとも、ようやく吹っ切りやがった、というべきか。 まったく持って、我らが王は手がかかる。 [王、と言いつつ、どうにも弟のように思えてしまうのは否めない。 実際、昔はその感覚で扱っていたから、ようはその延長なのだが] ……しかし、南からのあの決死の婚姻攻勢……どう、かわさせるべきか。 北の御方に、御相談すべきか……ここは。 やれ、やれ。 [呆れたように嘆息しつつ、符を片付けて立ち上がる] ……ヴェル殿を、急ぎ、ここへ。 我らのやんちゃ王が、やらかした、と伝えておくれ。 [それから、頭の上に乗っていた小鳥にこう言って、窓から飛び立たせる。 程なく駆け込んでくるであろう、黒の剣士長にどう説明しようか、と思いつつ。 月影の精霊師は、肩に止まる使い魔の羽を、軽く、撫でた。**] #hr 「先手打つ腹心達」 作:t_nukeさん 月影の精霊師 メルヒオル&黒の剣士長 ヴェルナー メルヒオル殿!とうとうあいつがエレオノーレに手を出したって本当か!? [慌しく飛び込んだ第一声で、黒の剣士長と呼ばれる王の乳兄弟は驚いた顔で問いかける。] 「出しても口付けが関の山だと思いますが…。」 [飛び込んで来た側近その2に、側近その1は苦笑を浮かべてそう答えた。] ……そうだった。 8年がかりで殆ど進展の無かった二人だしな。 キリクの希望もあった訳だが、付き添いをエレオノーレにしておいて正解だったというか。 「全く。惚れてる癖に手を出さないわ、他に選ぶ気もないわ。 ………我らが王は自分が王族直系という自覚はあるのか。後継者問題を一体なんだと思っているのやら。 二人旅で何も進展なければ、ヘタレ王の称号が加えられてましたね。 さっさと既成事実でも及んでくれればとこちらとしても楽なのですが。」 それは彼女の性格的に無いだろう……が、キリク次第か? まぁとっかかりに時間はかかったが、元々相想同士。 枷を外されれば、後は成る様に為るとは思うが。 「どうして8年もかかったのか逆に問い詰めたくはありますが。」 仲良いというか似たもの同士というか。 エレオ殿がフェイツウェに愚痴った後で、キリクがフェイツウェに愚痴る、とかいう光景を見た事もあったぞ…。 近すぎて遠い、という奴なのかもしれん。 その後の事を思えば……というのもあるだろう。 [そこには流石に、互いに表情に翳りが出る。] 「苦労は……するでしょうね。彼女には後ろ盾が全く無い状態。おまけに耳長です。 それを妃にと望めば王にも非難は及ぶでしょう。 というか南の猛攻どうしましょうかね……。 二人が帰国したら北の御方にご相談には伺う予定ですが。」 [ふぅと溜息をつく精霊師に、おやと黒剣士は瞬いた。] なんだ、直ぐにでも行くのかと思っていたのだが。 「貴方一人に留守を任せるわけにもいきませんし。何より顔を見て行きたいですから。 さて一体どういう顔で報告してくるやら。」 ……開き直ってすっきりしたいい笑顔に一票。 [黒剣士がぼそりと呟くと、精霊師の方は一瞬、手を止めて。 それからにこりと笑みを浮かべ。] 「……問答無用で同室にする準備でもしておきましょうか。 女官にエレオノーレの私物を全部王の私室に運ぶように―――」 [にこやかに笑い指示する精霊師が、やっぱり黒いと思った黒剣士だったとか*] #navi(村関連SS置き場)
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#navi(村関連SS置き場) 「月影の精霊師」 作:tasuku 月影の精霊師 メルヒオル ─ユウレン王宮─ ……む。 [机の上には木の占術符。 めくったそれが示すものに、ユウレンの宮廷精霊師は短く声を上げた。 肩と、頭の上に乗った小鳥がぴぃ? と鳴いて首を傾げる] ふむ……ついにやらかしやがった、というべきか。 それとも、ようやく吹っ切りやがった、というべきか。 まったく持って、我らが王は手がかかる。 [王、と言いつつ、どうにも弟のように思えてしまうのは否めない。 実際、昔はその感覚で扱っていたから、ようはその延長なのだが] ……しかし、南からのあの決死の婚姻攻勢……どう、かわさせるべきか。 北の御方に、御相談すべきか……ここは。 やれ、やれ。 [呆れたように嘆息しつつ、符を片付けて立ち上がる] ……ヴェル殿を、急ぎ、ここへ。 我らのやんちゃ王が、やらかした、と伝えておくれ。 [それから、頭の上に乗っていた小鳥にこう言って、窓から飛び立たせる。 程なく駆け込んでくるであろう、黒の剣士長にどう説明しようか、と思いつつ。 月影の精霊師は、肩に止まる使い魔の羽を、軽く、撫でた。**] #hr 「先手打つ腹心達」 作:t_nukeさん 月影の精霊師 メルヒオル&黒の剣士長 ヴェルナー メルヒオル殿!とうとうあいつがエレオノーレに手を出したって本当か!? [慌しく飛び込んだ第一声で、黒の剣士長と呼ばれる王の乳兄弟は驚いた顔で問いかける。] 「出しても口付けが関の山だと思いますが…。」 [飛び込んで来た側近その2に、側近その1は苦笑を浮かべてそう答えた。] ……そうだった。 8年がかりで殆ど進展の無かった二人だしな。 キリクの希望もあった訳だが、付き添いをエレオノーレにしておいて正解だったというか。 「全く。惚れてる癖に手を出さないわ、他に選ぶ気もないわ。 ………我らが王は自分が王族直系という自覚はあるのか。後継者問題を一体なんだと思っているのやら。 二人旅で何も進展なければ、ヘタレ王の称号が加えられてましたね。 さっさと既成事実でも及んでくれればとこちらとしても楽なのですが。」 それは彼女の性格的に無いだろう……が、キリク次第か? まぁとっかかりに時間はかかったが、元々相想同士。 枷を外されれば、後は成る様に為るとは思うが。 「どうして8年もかかったのか逆に問い詰めたくはありますが。」 仲良いというか似たもの同士というか。 エレオ殿がフェイツウェに愚痴った後で、キリクがフェイツウェに愚痴る、とかいう光景を見た事もあったぞ…。 近すぎて遠い、という奴なのかもしれん。 その後の事を思えば……というのもあるだろう。 [そこには流石に、互いに表情に翳りが出る。] 「苦労は……するでしょうね。彼女には後ろ盾が全く無い状態。おまけに耳長です。 それを妃にと望めば王にも非難は及ぶでしょう。 というか南の猛攻どうしましょうかね……。 二人が帰国したら北の御方にご相談には伺う予定ですが。」 [ふぅと溜息をつく精霊師に、おやと黒剣士は瞬いた。] なんだ、直ぐにでも行くのかと思っていたのだが。 「貴方一人に留守を任せるわけにもいきませんし。何より顔を見て行きたいですから。 さて一体どういう顔で報告してくるやら。」 ……開き直ってすっきりしたいい笑顔に一票。 [黒剣士がぼそりと呟くと、精霊師の方は一瞬、手を止めて。 それからにこりと笑みを浮かべ。] 「……問答無用で同室にする準備でもしておきましょうか。 女官にエレオノーレの私物を全部王の私室に運ぶように―――」 [にこやかに笑い指示する精霊師が、やっぱり黒いと思った黒剣士だったとか*] #navi(村関連SS置き場)
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