パルシェ平原の遊牧民族ラーキス出身の占術師。『時空の剣』を手にしたランディの前に現れ、迫り来る危機を告げ、旅立ちを促した。 性格は、クールで皮肉屋。普段は感情を抑えているが、時に別人のような激情を見せる事もある。ランディとは、理屈抜きの信頼をいつの間にか築いており、名コンビぶりを発揮するようになる。また、なんだかんだと言いつつスラッシュとも気は合うらしく、妙な間のある漫才を繰り広げる事も。 使い魔のティアに対して見せる優しい表情や、ティアの人懐っこい気質からして、本来は優しく、他者思いの性格であると推察される。 普段はかなり迷惑がっているが、お兄ちゃんと呼んで自分を慕うレイチェルの事は、従兄としてやはり心配であるらしい。 複数の魔法を使いこなし、また、自らの血とカードを利用した符術と呼ばれる特殊な技を自在に使いこなす。それ以外にも素手による格闘にもそれなりに秀でており、戦闘能力は高い。 滅多に人に聴かせようとはしないが、横笛の名手。
※以下、第一章完結によって公開されたデータです。既読の方のみ、反転して見て下さい。
カティス宮廷魔導師ガレスと、ラーキスの娘セレナの間に生まれる。父親譲りの高い魔力と生来の資質により、魔法能力は特筆に価するものを秘めている。 母が彼を身ごもった直後にガレスがカティスに連れ戻されたため、彼は父親の顔を知らない。また、その事実が一族の慣習に疎まれ、母は堕胎を迫られたものの、後の師となる占術師ラタナの、長老たちに対する半ば脅迫にも等しい仲裁によってそれは免れた。 とはいえ、一族の中では異質な黒髪とその出生により周囲からは疎まれ、孤独な少年期を過ごす。自分の存在が母を苦しめているという罪悪感を常に抱えており、唯一の拠り所であるはずの母にも上手く甘える事ができなかった。 七歳の時に母が心労から永眠。占術師ラタナに引き取られ、彼女から占術と魔法、生きていくために必要な生活の知恵などを教え込まれる。ちなみに、ラーキスの民は男子は声変わり、女子は初潮を迎える事で成人と見なされるようになり、十三歳で変声期を迎えたウォルスは、成人と見なされた直後にラタナから『女』を教え込まれた。 十四歳の時に占術の技術を全て修め、一族を離れて放浪の旅に出る。目的は、母を捨てたガレスへの復讐であり、そのための実力を身につけようと思い立っての事だった。 その後、旅の中で『時空の剣』の存在を知り、それが世界自体の命運を定める鍵であると知る。興味を感じてそれを追っていく過程で仇敵と定めるガレスがその力を狙っている事を知り、『時空の剣』の持ち主に選ばれたランディに接触した。当初はその力を利用するつもりだったようだが、ランディの気質に触れて和み、途中から力としての利用は考えなくなったようだ。 異母兄妹であるニーナとそうとは知らずに違いに惹かれ合い、最初は切り捨てるつもりでいたようだが、結局は心を通わせる事を選ぶ。追いかけていく、という宣言を受け入れているところからして、その想いは周囲の予想を超えた強いものであるらしい。
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